臥床時の身体のポジショニングを行う際には、ポジショニング方法の基本的な考え方を知っておくと行いやすいです。
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臥床時の身体のポジショニングの考え方は?
臥床時の身体のポジショニングの基本的な考え方には、
- 空間を埋める
- 接地面を増やす
- 不必要な身体の捻れや歪みをつくらない
- 関節可動域制限のある(起こりうる)方向と反対方向の肢位をつくる
などがあります。
上記の事を考えていればポジショニングが比較的行いやすいのですが、あくまでも基本的な考え方になるので全ての対象者に当てはまるわけではなく、その対象者によってポジショニング方法は異なります。
空間を埋める
この場合の空間とは、身体とベッドの間に空いた隙間です。
背臥位(仰向け)では頚部、肩、膝の下に空間が出来ていることが多いです。
側臥位(横向き)では頚部、両下肢(大腿部や下腿部)の間に空間が出来ていることが多いです。
空間があるとそれ以外の箇所に圧がかかりやすくなります。
例えば、背臥位で膝下に空間があれば仙骨と踵に圧がかかりやすくなります。
側臥位で両下肢の間が空いていれば、膝や内果(内くるぶし)に圧がかかりやすくなります。
また身体とベッドの間に空間があると、接地面が少なくなるので空間が出来ている周囲の筋緊張が高くなることがあります。
接地面を増やす
身体とベッドの接地面が少ないと、リラックスして寝ることが出来ません。そうすると、身体の筋緊張が高くなってしまっていることがあります。
また接地面が少ないと、接地している点(箇所)のほうに圧がかかりやすくなります。
接地面を増やすことを考えてポジショニングを行っていると、必然的に空間が埋まっています。
空間を埋めることを考えてポジショニングを行っていても、必然的に接地面が増えています。
不必要な身体の捻れや歪みをつくらない
不必要な身体の捻れや歪みは、結果的に空間をつくり、接地面を減少させることにつながります。
また左右非対称になることで、身体の筋緊張がアンバランスになり、関節の拘縮を助長する可能性があります。
その為、不必要な身体の捻れや歪みをつくらないことが大切です。
関節可動域制限のある(起こりうる)運動方向と反対方向の肢位をつくる
関節可動域制限がある(起こりうる)場合、制限がある運動方向の反対方向に関節を動かして保持します。
例えば、膝関節の伸展制限がある場合にはなるべく膝関節を伸展位で保持できるようにします。
足関節の背屈制限がある場合、なるべく背屈位で保持できるようにします。
そうすることで、拘縮や関節可動域制限の進行をある程度防ぐことができます。