病院や福祉施設では、寝具に電動ベッドを使用していることが多いです。
電動ベッドは、そのベッドによって動く箇所が決まっています。
今回は「3モーターベッド」について、ご紹介していきます。
Contents
3モーターベッドとは?
3(スリー)モーターの「モーター」とは、簡単に言えば「電動機能」になります。
ですから3モーターの場合、3つの箇所を電動で動かせるということです。
2モーターですと2つの箇所、1モーターですと1つの箇所を電動で動かせるということになります。
主に介護度の高い人に使われることが多いです。
電動で動かせる箇所は?
下記は3モーターベッドの電動で動かせる3つの箇所になります。
実際に動かせる角度や範囲は、電動ベッドの種類やメーカーによって多少異なります。
- 背上げ機能
- 脚上げ機能
- 高さ調節機能
「背上げ機能」とは、ベッドの頭側を上げ下げすることが出来るリクライニング機能です。
これにより上半身を簡単に起こすことが出来ます。
0°~70°程度まで動かせます。
「脚上げ機能」とは、ベッドの脚側を上げ下げすることが出来る機能です。
背上げのように水平に上がるのではなく、膝部分から(山のようなイメージに)上がるベッドが多いです。
0°~25°程度まで動かせます。
背上げ機能と脚上げ機能が連動して動くタイプもあります。
「高さ調節機能」とは、ベッド自体の高さを調節出来る機能です。
15cm~65cm程度まで動かせます。
3モーターベッドの良いところは?
3モーターベッドの良いところはたくさんあります。
3つの機能ごとに良いところをご紹介します。
背上げ機能のメリット
背上げ機能の良いところは、上半身を起こせるところです。
具体的には、
- 坐位(長坐位)が保てる
- 食事を摂りやすい
- 呼吸がしやすい
- 起き上がりやすい
- 胃からの逆流を予防する
- 血圧変動に対応しやすい
- 圧がかかる位置を動かせる
などがあります。
脚上げ機能のメリット
脚上げ機能の良いところは、下肢を挙上出来るところです。
具体的には、
- 浮腫みを予防する
- 膝関節屈曲拘縮でもフィットしやすい
- 血圧変動に対応しやすい
- 圧がかかる位置を動かせる
- 背上げ機能とセットで使えば、骨盤のズレを予防出来る
などがあります。
高さ調節機能のメリット
高さ調節機能は、対象者が端坐位になったときにその良さを発揮します。
- 足底を接地しやすい
- 端坐位を保ちやすい
- 立ち上がりやすい
足底接地や立ち上がりがしやすくなれば、ベッドサイドでの転落事故も減少します。
おわりに
3モーターベッドは、その対象者にたくさんのメリットをもたらします。
それだけでなく、介護者の負担軽減にもなります。
そのため、3モーターベッドの機能を十分に理解して、有効に利用して行きたいところです。