高齢者の方達は、下肢が浮腫んでいる人が多いです。とくに施設などで車椅子に日中ずっと座っている利用者さんは、ほとんどの方が下肢に浮腫みがあります。
浮腫みがあると剥離しやすいだけでなく、拘縮も起こりやすくなってしまいます。
今回は下肢の浮腫み予防におすすめの運動について、ご紹介していきます。
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浮腫みとは
浮腫み(むくみ)は、身体の一部もしくは全体が体内の水分によって腫れることです。とくに手足などの末端に起こることが多く、基本的には痛みを伴いません。浮腫みは、浮腫(ふしゅ)とも言われています。
細胞組織の液体(細胞間質液)と血液の浸透圧バランスが崩れ、細胞組織に水分が溜まって腫れる。浮腫発症のメカニズムとしては浸透圧の低下、血圧上昇(静脈・リンパ管のうっ滞あるいは閉塞)、血管透過性亢進などがあげられる。
出典元:「浮腫」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/浮腫)。2019年3月20日15時(日本時間)現在での最新版を取得。
浮腫みのある人は、よく下肢の皮膚が靴下のゴム部分に締め付けられるようにへこんでいるのを見かけます。
浮腫みの評価方法は
浮腫みの評価方法は色々ありますが、その評価方法のひとつとして日本離床研究会のホームページに記載されているものをご紹介します。結構わかりやすいです。
下腿前面などに指腹を用い5mmほどの深さで、10秒間押した時の皮膚圧痕の回復具合を評価します。
「跳ね返る」浮腫であれば、その部位の熱感を確認します。
熱感があれば「炎症性の浮腫」、なければ「リンパ性の浮腫」と推測します。
「陥没したまま」で40秒程度で回復するものには、低栄養などの低アルブミン血症が疑われます。
また、「陥没したまま」で40秒以上残る圧痕性浮腫には、心不全や腎不全、薬剤性などがあります。
出典元:早期離床Q&A|日本離床研究会(https://www.rishou.org/activity/rishouqanda/rishouqanda_dannseisutokkingu-21-2-2-22-2-22-2/)
つまり、日本離床研究会に記載されている浮腫みの評価をおこなうには、
- 跳ね返りの有無
- 陥没してから戻るまでの時間
- 熱感の有無
が重要となります。
下肢の浮腫み予防の運動とは
浮腫みを予防したり、改善する方法はたくさんあります。そのなかでも今回は、私がよく行う下肢の運動や対策をご紹介していきます。
ふくらはぎは、「第二の心臓」と言われるくらい浮腫みに対してとても重要な筋肉があります。ふくらはぎの筋肉を動かすことで、収縮弛緩を繰り返しポンプの作用となり血流を良くしてくれるのです。
ふくらはぎの筋肉には、腓腹筋・ヒラメ筋・足底筋の3つがあり、その3つのなかでもふくらはぎの筋肉の大部分をしめるのが腓腹筋とヒラメ筋です。
腓腹筋とヒラメ筋を合わせて、下腿三頭筋と呼ばれることがあります。この下腿三頭筋をしっかりと動かすことで、浮腫み予防にもつながります。
腓腹筋の作用は、膝関節の屈曲(膝を曲げる)と足関節の底屈(足首を下に伸ばす)です。ヒラメ筋の作用は、足関節の底屈(足首を下に伸ばす)です。
つまり、下腿三頭筋をしっかりと動かすには膝関節・足関節の運動をする必要があります。
坐位(座って)で行う浮腫み予防の運動
坐位で行う浮腫み予防の簡単な運動としては、「つま先上げ・踵上げ」の運動になります。
椅子に普通に座った状態で、つま先上げ・踵上げの運動を繰り返します。(可能であれば背筋を伸ばした状態で行う)
足関節の運動
足底を床に接地した状態から、
- つま先上げ
- つま先を下ろして足底接地
- 踵上げ
- 踵を下ろして足底接地
を1セットとして1日に30回以上を目標に行います。(朝10回・昼10回・夜10回など)
ただ回数や実施時間にとらわれすぎると運動が続かない可能性があるので、まずは時間が空いたときに足首を軽く動かしてもらうようにしておき、運動する習慣をつけると良いと思います。
膝を伸ばして保持出来る人は、片足の膝を伸ばして足首を動かすのも浮腫みに良い運動です。
臥位(寝転んだ状態)で行う浮腫み予防の運動
臥位でもふくらはぎの筋肉を動かすために、つま先の上げ下げの足関節の運動は効果的です。
その他の浮腫み予防の運動としては、臥位で下肢を挙上出来る人であれば、「ゴキブリ体操」というものが非常に効果的と言われています。
ゴキブリ体操
ゴキブリ体操とは、臥位で両上肢・両下肢を天井に向かって挙上した状態で上下肢をブラブラ小刻みに動かす体操になります。その見た目から、ゴキブリがひっくり返って暴れているように見えることから、「ゴキブリ体操」と言われています。
ゴキブリ体操の具体的なやり方は、
- 仰向けで寝転ぶ
- 手足を天井に向かって挙上する(床に対して出来るだけ直角に)
- 手足をブラブラ小刻みに動かす
1分を目標に、はじめは30秒程度から開始しましょう。ひたすら手足をブラブラ動かすだけなので簡単ではあります。下肢の浮腫みを改善したい場合には、足の動きだけでも大丈夫です。
上記の内容を1回で3セット行います。朝・昼・夜で3回(計9セット)を目標に行います。
浮腫みやすい飲食物
梅干しや味噌汁、ラーメンなどの塩分が多い食べ物は摂取し過ぎると浮腫みやすくなります。
また、アルコール飲料は飲み過ぎると浮腫みやすくなります。
浮腫みを解消する食べ物
浮腫みには、カリウム・ビタミンE・クエン酸などの栄養素を摂取すると有効と言われています。
バナナ・グレープフルーツ・レモン・アボガド・ホウレン草・アーモンド・さつまいもなどが上記の栄養素を多く含みます。
おわりに
今回は下肢の浮腫みに対して効果のある運動をご紹介しましたが、これらの浮腫み予防の運動は浮腫みだけでなく冷え性の改善にも効果があります。
まずは運動の時間や回数にこだわらずに、始めることが大切です。下肢を動かす習慣をつけることが重要なのです。
また、運動と同時に食事にも気をつけて浮腫みを解消していきたいところです。