特養などの施設で、集団体操を定着させるのは色々なハードルがあります。何年も前から集団体操の時間をとっていればまだやりやすいのですが、いきなり「集団体操を始めます」と開始してもなかなか定着していかないものです。
高齢者の方達は、新しいものに慣れるまで時間がかかる場合があります。
そのため、定着するまでにはある程度の期間が必要です。そして集団体操をおこなうのは、機能訓練指導員だけでなく、介護職の協力も必要です。
今回は、集団体操を特養の利用者さんに定着させる方法をご紹介したいと思います。
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集団体操を特養の利用者さんに定着させる方法
集団体操を特養で定着させるのは、非常に難しいことです。もともとやっていないことをいきなり開始するのは簡単ではありません。
集団体操をする時間を毎回相談する
機能訓練指導員が一人で「集団体操を始めます」と言っても、実際継続するのは非常に難しいことです。
食事やおやつ、入浴、その他の行事がたくさんあるので、それらの時間帯には利用者さんは愚か職員も忙しくて協力してもらえません。また、利用者さんによって日中に臥床する時間をとっている人も結構いるので、なるべくなら離床している時間帯を狙いたいところです。
ですから、あらかじめ介護士に「いつなら人が集まりやすく、時間に余裕があるか」ということを聞いておくことは重要です。
介護士に集団体操の協力をあおぐ
数十人を集めて集団体操をおこなう場合、機能訓練指導員一人だけでは収拾がつきません。
一人で前に出て体操を教えていても、利用者さんの体操の参加率はどうしても悪くなってしまいます。
そうならないように、現場の介護士に協力をあおぐことは大切です。
介護士に利用者さんの間に入ってもらって一緒に体操をしてもらうだけでも、利用者さんの体操の参加率はかなり違ってきます。
ひとつの大イベントとして集団体操を実施する
集団体操を中途半端に開始してしまうと、「体操しなくても大丈夫だ」と利用者さんに思われてしまい参加率は悪くなります。
始まりは肝心です。集団体操開始時にどれだけ真剣にひとつの大イベントとして実施できるかが重要となってきます。
利用者さんを密集させる
集団体操はまわりの人がやっていなければ、自分もやらなくてもいいんだと思ってしまいがちです。
利用者さんが広い部屋に散らばっていると、まわりの人の影響を受けにくくなってしまいます。
利用者さんを密集させることで、隣の人が体操をしているから「自分を身体を動かしてみようかな」という気持ちになりやすくなります。
簡単な集団体操にする
集団体操は多くの人が参加出来る体操にしなければなりません。数人が出来る集団体操をしても、他の人が参加出来なければ集団体操の意味がありません。
出来るだけ多くの人が体操に参加しやすいように、まずは誰でも出来る簡単な体操から実施することが望ましいです。
音楽ありの集団体操にする
大人数を惹き付けるには、簡単なことではありません。口頭だけで説明して体操をしてもなかなか伝わりにくいものがあります。
そういったときには、誰しもが知っている歌や音楽にのせて体操の振り付けを考えるのもひとつの方法です。
手足を動かせない人は、声を出して歌うだけでも体操になります。
とにかく褒める
大抵の人は、褒められて嫌な気持ちになる人はほとんどいません。個別にリハビリをおこなっていても、患者さんや利用者さんを褒めることは非常に重要なことです。
集団体操においても利用者さんが少しでも身体を動かしてくれているのであれば、まずはとにかく褒めるのも大切です。
褒めることを繰り返していると、自然と身体を動かすことが増えてきたりします。
どんなに忙しい日でも集団体操を実施する
集団体操は大人数の身体を動かす非常に良い運動です。しかし、運動は日々継続することに意味があります。
集団体操を一回実施したからといって、それで終わりではありません。継続するには、定期的に(出来れば毎日)集団体操を実施しておきたいところです。
職員が忙しいからといって、集団体操をやめてしまうようなことが一回でもあれば、結局集団体操をしない日が増え最終的には集団体操をしなくなってしまうといったことにもなりかねません。
おわりに
特養の利用者さんにいきなり集団体操を定着させるのは非常に難しいことです。
機能訓練指導員だけで考え込まず、介護士や他職種に協力してもらうことが大切です。
また集団体操は継続することに意味があるので、途中で止めてしまうようことがないように、一度「集団体操をする」と決めたからには可能な限り毎日集団体操を実施して定着に繋げたいところです。