認知症の人とのコミュニケーションが難しいと感じる方は多いと思います。
認知症の人への対応を間違えてしまうと、不穏になったり、攻撃的になってしまうこともあるので注意が必要です。
今回は、認知症の人に絶対にしてはいけない「否定する·叱る·抑制する」についてご紹介したいと思います。
認知症とは
まず認知症について。
「認知症」は病名ではなく、認識したり、記憶したり、判断したりする力が障害を受け、社会生活に支障をきたす状態のこと。
出典元:認知症の基礎知識|認知症フォーラム.com(https://www.ninchisho-forum.com/knowledge/kurashi/006.html?k=a_01)
認知症になると社会生活に支障をきたすだけでなく、日常生活動作にも支障をきたす場合もあります。
認知症の症状は様々で、人によって異なります。また認知症になると完治することは難しく、早期から進行を遅らせる治療をすることが大切です。
認知症を引き起こす原因となる疾患には、
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
- 脳血管性認知症 など
があります。このなかで最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
認知症の症状は
認知症の症状には、中核症状と周辺症状があります。
中核症状とは、脳の神経細胞が壊れることで直接的に起こる症状のことをいいます。
- 記憶障害
- 見当識障害
- 実行機能障害
- 失行
- 失認
- 失語
- 理解力や判断力の障害 など
周辺症状とは、中核症状に付随して起こる二次的な症状のことをいいます。周辺症状は、本人の性格や環境、介護方法などによっても大きく変わってきます。行動面・心理面の症状(BPSD:Behavioral and PsychologicalSymptoms of Dementia)ともいわれます。
- 暴力
- 暴言
- 介護拒否
- 徘徊
- 睡眠障害
- 無気力
- 不潔行為
- 妄想
- 幻覚
- 多動 など
認知症の人に絶対にしてはいけないこと
認知症の人との間違った接し方で、症状が悪化してしまう場合があります。
ここでは認知症の人に絶対やってはいけない3つのことについて、ご紹介していきます。
否定する
認知症の人に「否定する」ことは絶対にしてはいけないことです。
認知症の人は時には、おかしな言動をとることがあるかもしれません。しかしそういった時にも否定をせず、まずはお話を聞いて相手の想いに合わせることが大切です。
認知症の人は否定をされてしまうと、
「冷たくされた」
「正しいことを言ってるのに」
「自分は何も出来ない」
などと考えてしまい、ストレスが溜まり症状が悪化してしまう可能性があります。
叱る
介護をする側として、「叱る」ことは認知症の人だけでなく他の高齢者に対してもしてはいけません。
認知症の人は、今まで出来ていたことがだんだんと出来なくなってきます。しかし出来ないことを叱るのではなく、出来ることを褒めるようにして、相手の意思を尊重していきます。
誰もが叱られるより、褒められたいものです。褒められることでモチベーションを維持して、出来る動作を継続していきます。
抑制する
認知症の人は、時には多動で徘徊をすることがあります。急に立ち上がって歩いて行ったり、床にしゃがみ込むこともあります。
認知症の人がそういった行動をとるときには、何か理由や目的がある場合がほとんどです。単に行動を抑制するのではなく、「何をしようとしているのか」理由や目的を追求することが重要です。
おわりに
認知症の人への接し方で、症状が緩和したり、悪化することがあります。
大事なのは相手の人権を尊重して、気長に優しさを持って対応することです。
- 否定しない
- 叱らない
- 抑制しない