握力計を使った握力測定は簡易的かつ時間をかけずに計測することが出来るので非常に測定しやすいテストのひとつです。
そのため、体力測定で握力測定を実施するところは多いです。
しかし、測定の仕方を間違えてしまうと数値が大きく異なるどころか、全く意味のないテストとなってしまう場合があります。
今回は握力計の使い方について、ご紹介していきます。
握力計とは
握力計は、手を握る力(握力)を計測する測定器です。
握力計さえあれば場所を問わずどこにいても、簡単に握力を計測することが出来ます。
握力で使う筋肉には、主に下記のような前腕にある筋肉が中心となります。
- 浅指屈筋
- 深指屈筋
- 長母指屈筋 など
握力測定は単に手の力を計測出来るだけでなく、全身の身体機能や転倒リスクの指標を知る上でも重要なテストになります。
握力計の種類
握力計には油圧式・空気圧式・コラン式など様々な種類がありますが、一般的によく見かけるのはスメドレー式という測定器になります。
また、握力計にはデジタル式とアナログ式があります。デジタル式のほうが数値を読み取りやすいですが、電池が必要となります。
握力計の使い方
ここではスメドレー式握力計の使い方について、ご紹介していきたいと思います。
握力測定は左右交互に2回ずつ行い、左右それぞれ良い数値を記載します。
握力計の握り方
握力計の握り方が毎回計測するたびに異なってしまっては、正確な数値の比較が出来ません。
そのため、正しい握り方で統一しておく必要があります。
握力計の握り方のポイントとしては、
- 握力計の表側(数値が出る側)が外側になるように握る
- 母指と四指で握力計を握り、人差し指のPIP関節(第二関節)が直角になるように握る幅を調節する
握る幅が広すぎるとPIP関節が鈍角になりますし、狭すぎると鋭角になります。必ず直角になるようにしましょう。
握力測定をする肢位
握力測定を行う肢位は、基本的には立位で上肢を自然に下ろした状態です。
立位が保持出来ない方は、椅子に座った姿勢で行いますが、ひじ掛けなどがある椅子では上肢を下ろす際や計測時に接触してしまい邪魔になる可能性があります。
身体能力が低く、座位や臥位で測定する場合には、特記事項にその肢位も書いておくと次回測定する際にわかりやすいです。
基本的には立位が最も力を発揮しやすい肢位となります。
計測時は大きく身体を動かさずに、測定肢位をなるべく保ったまま力を入れてもらいます。
おわりに
握力測定は、簡単に測定出来る体力測定のひとつです。
しかし、測定する際には握力計の握り方や肢位をきちんと統一しておかなければ、握力の数値が大きく変わってしまう場合があるので注意が必要です。