肢位・姿勢

オーバーベッドテーブルのデメリット

病院や高齢者施設などでは、患者さんや利用者さんが食堂や団欒の場所で大きいテーブルに数名が集まって食事を摂る光景をよく見かけます。

皆で同じテーブルを使用するため、当然体格の違いからテーブルの高さが合っていない人もいます。お婆ちゃんなど背丈の小さい人たちからすると一般的なテーブルでは高過ぎて食べにくくなります。食事姿勢が悪いと食べにくいどころか、嚥下機能に支障をきたす恐れもあります。

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高さの異なるテーブルがいくつかあれば、体格に合わせて席替えをすることも可能ですが、色々な事情によりどうしても体格に合ったテーブルが無いときには、オーバーベッドテーブルというものを使う場合があります。

オーバーベッドテーブルはベッド上で過ごす上でも、大変便利なテーブルとなります。

オーバーベッドテーブルとは

オーバーベッドテーブルとは、高さ調節が簡単に出来るキャスターつきの移動式テーブルです。

基本的には二本脚になりますが、一本脚のサイドテーブルタイプのものもあります。

ベッドサイドでも使用出来るテーブルです。

オーバーベッドテーブルの写真

出典元:オーバーベッドテーブル|パラマウントベッド(https://www.paramount.co.jp/product/detail/index/30/P0003447)

種類は様々で、天板の角度を変えられるものやキャスターにロック機能がついてるもの、タオル掛けがついてるものなどがたくさんあります。

価格は安いもので6000円程度から、高いもので数万円のオーバーベッドテーブルがあります。

ちなみに天板のみでベッドサイドレール(柵)に取り付けるタイプはオーバーテーブルと言います。

オーバーベッドテーブルを使えばベッド上でも食事や作業がしやすいことから、病院や施設などでは重宝されています。

しかしオーバーベッドテーブルには、いくつかの欠点があります。

 

オーバーベッドテーブルの欠点

オーバーベッドテーブルの欠点をまとめました。

  • 体重をかけれない
  • 片付けておくスペースが必要
  • 使用中は脚が曲げれない

体重をかけれない

オーバーベッドテーブルは簡易的に高さを調節できるのが特徴ですが、その分耐荷重が強くありません。

また天板も通常のテーブルなどに比べると薄いため、ガッシリとはしていません。

そのため、テーブルにもたれかかると大変危険です。

よくあるのが天板に手をついて立ち上がろうとしたときに、重みで高さ調節のロックが外れてしまいテーブルが一番下まで落ちてしまうことです。

また脚部分についているキャスターがしっかりロックされていなければ、立ち上がろうとしたときにテーブルごと動いてしまい非常に危険です。

そして通常のテーブルに比べて重量も軽いため、もたれかかるにはやはり不安定です。

片付けておくスペースが必要

オーバーベッドテーブルは通常のテーブルなどに比べるとコンパクトで移動も容易なので使用するときには楽なのですが、使用しないときには保管しておくスペースがそれなりに必要となります。

種類にもよりますが幅がだいたい120センチ、奥行き60センチ前後くらいの長方形のスペースが必要です。

使用中は脚が曲げれない

オーバーベッドテーブルをベッド上で使用していると、丁度太股から膝あたりに天板がくることになるので、膝を立てて脚を曲げることが困難となります。

またベッドサイドレールとテーブルに囲まれるため、窮屈に感じることもあります。

ただ、移動が簡単なので食事などの用事が済めばすぐに片付けてもらうことが出来るので窮屈感や脚が曲げれないデメリットはそこまで気にはなりません。

 

おわりに

オーバーベッドテーブルはベッド上だけでなく、座位で通常のテーブルに高さが合わない人にも使用出来ます。

通常のテーブルに比べて固定性が低いため、オーバーベッドテーブルを利用して動作を行うのには向いていませんが、その人の姿勢に合わせて安楽な生活を送るためにはなくてはならないものです。

ABOUT ME
たろ
【資格】理学療法士(12年)、ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、特養、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義

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