高齢になると耳の機能が低下して、コミュニケーションがとりづらくなることがあります。
周りとのコミュニケーションがとれなくなると、思い通りに行かない苛立ちやストレスからとじ込もり、ますます孤立化してしまいます。人との関わりがなくなると、認知機能にも悪影響です。
そのため、難聴の方への接し方は非常に重要になります。
難聴の方にも伝わりやすい接し方があるので、今回は難聴の方との最良なコミュニケーション方法をご紹介します。
難聴とは
まず難聴についてです。難聴とは、聴力が低下して耳が聞こえにくい状態になっていることです。
難聴は高齢者に多く、症状として高い音から聞こえにくくなったり、早口が聞き取れないといったことがあります。
難聴の原因
難聴の原因は主に加齢によるものが多いですが、その他に疾患や感染症、ストレスなどからも起こりうる可能性があります。
難聴の種類
難聴の種類には、伝音難聴、感音難聴、混合性難聴の3つがあります。
それぞれの難聴は障害部位によって異なります。
伝音難聴とは
日本耳鼻咽喉科学会によると、伝音難聴は外耳や中耳の障害で起こります。
外耳や中耳になんらかの障害があることで起こります。外耳道炎、急性中耳炎などでは一時的な症状である場合も多く、薬物投与などで改善することが多いです。
出典元:難聴について|日本耳鼻咽喉科学会(http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/)
感音難聴とは
日本耳鼻咽喉科学会によると、感音難聴は内耳や蝸牛神経、脳の障害で起こります。
内耳、蝸牛神経、脳の障害によって起こります。急性に生じる突発性難聴などや慢性的に生じる騒音性難聴・加齢性難聴、生まれつきの先天性難聴などがあります。急性難聴は早期の薬物治療等で改善することもあります。また騒音性難聴は予防が重要になります。加齢性難聴などは現在は治療は困難ですが、補聴器で聞こえを補うことで、認知症予防、生活の質を改善させることができます。
出典元:難聴について|日本耳鼻咽喉科学会(http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/)
混合性難聴とは
混合性難聴とは、伝音難聴と感音難聴が混合している難聴になります。
難聴の人との関わり方
難聴の人への接し方のポイントは下記になります。
- 補聴器を使用
- 正面から顔の表情や口元を見せる
- 低い声で話す
- 言葉を選ぶ
- ゆっくりと区切りながら話す
- 周りの雑音を減らす
- ジェスチャーを交える
- 筆談する
難聴の人は、高い声や早口が特に聞き取りにくくなります。そのため、出来るだけ低い声を出し、ゆっくりと文章を区切りながら話すことが大切です。伝わりにくい言葉は、他の言葉に置き換えて話すのも重要です。
また、声が聞き取りにくくても理解してもらいやすいように、こちらの表情や口元を見えやすいようにし、ときにはジェスチャーを交えて接します。マスクをつけていると口元が隠れ、声がこもり表情も見えにくくなるため、難聴の人と接するときにはマスクを外しておきたいところです。
周りに雑音が多いと会話の聞き取りに集中出来ないため、可能な限り雑音の無い静かな場所で接するのも一つの方法です。
補聴器を持っていれば装着してもらうことで聞き取りやすくなりますが、耳元で大きな声を出すと音割れしたり、音が頭に響く可能性があるので注意が必要です。
どうしても声が聞こえづらくコミュニケーションが取れない場合には、筆談で会話する方法もあります。聞こえないのに何度も大きな声を出していると、聞いているほうも理解出来ないもどかしさなどから疲れますし、喋りかけているほうも疲れます。
まとめ
難聴の人への関わり方にはいくつかポイントがありますが、大事なのは聞き手と話し手のお互いが『理解しようとする』『理解してもらいやすいようにする』という気持ちを持って接することです。