リハビリでは様々な器具や物品を使うことがあります。
特に作業療法では物を作ったり動かしたりなど、より応用的な動作の練習をするため器具を使用したリハビリが多くなります。
今回ご紹介するのは、リハビリ用のペグボードについてです。
リハビリ用ペグボードとは
ペグボードとは、型の空いた板に専用のペグ(ブロック)をはめ込んでいくものです。
形や長さ、色などが異なるペグがあり、ペグボードの大きさも大中小様々な種類があります。
ペグボードの目的
ペグボードには、大きく分けて2つの使用目的があります。
- 上肢機能の訓練
- 認知機能の訓練
上肢機能の訓練
ペグボードの使用には、
- ペグを掴む
- ペグを運ぶ
- ペグをはめ込む
などの複合動作が必要となります。手指や肩など上肢の巧緻性や関節可動域訓練にもなります。
また、目や上肢の協調性訓練にも繋がります。
認知機能の訓練
ペグには色々な種類があるので、形や長さ、色などを理解して行う必要があります。
また、ペグを運ぶ際の距離感覚や位置関係の把握も必要です。
そのため、視空間の認知機能や注意機能などの訓練にもなります。
ペグボードの対象者
ペグボードの対象者は、上肢機能や認知機能が低下している人になります。
対象者は主に、高齢者や脳梗塞後遺症の方などが当てはまりますが、発達障害の子供にも使用される場合があります。
具体的な対象例を挙げていきます。
- 上肢の巧緻性が低下している
- 上肢の筋力低下がある
- 上肢の関節可動域制限がある
- 高次脳機能障害(半側空間無視や注意力低下など)がある
その他に、単に子供の遊び道具としても使われていることがあります。
ペグボードの使い方
ペグボードは健常者が普通に行えば、簡単ですぐに終了してしまいます。
しかし、ペグボードの使い方に色々な条件をつけることで、多くのトレーニングをすることが出来ます。
下記は使い方の例です。
- ペグを小さい順にはめ込んでいく
- ペグを掴む指を変える
- ペグボードの位置や角度を変える
- 開始から終了までの時間を計測する
色々な条件をつけてペグボードを使うことで、セラピストは評価をしやすくなりますし、対象者のモチベーション向上にも繋がります。
まとめ
ペグボードは、上肢や認知機能の訓練に使われます。
ペグボードの使い方によって様々な訓練が出来るので、使用目的の幅が広がります。