車椅子を使用するときは、利用者の体格に合った車椅子を選定しなければなりません。
ただ何処の施設や病院も車椅子の種類がたくさんあるわけではなく、在庫も余分がたくさんあるわけではありません。
車椅子は買うと高額なので、なかなか購入してもうこともできません。
となると施設や病院に既存の車椅子を使用するのですが、利用者のなかにはどうしても体格や姿勢が適合しないまま車椅子に座っていることがあります。
利用者の体格や姿勢に少しでも合った車椅子に座ってもらうためには、車椅子を調整することも必要です。車椅子によっては調整出来ないものもあります。
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車椅子の調整方法
車椅子の各部分を調整し、利用者が少しでも生活を安楽・安全に過ごせるようにしていきます。
今回は、下記の部分の調整方法をご紹介していきます。車椅子の種類によって、調整方法は多少異なります。また、調整不可の車椅子もあるのでご注意下さい。
- フットレスト
- アームレスト
- バックレスト
- ヘッドレスト
フットレストの調整
フットレストの調整で、高さを変えることが出来ます。
調整方法は、フットレストがついてるフレームの下に六角形のボルトがあるので、そのボルトをスパナを使って緩めます。
ボルトが緩んだら、フレームの長軸方向へフットレストを引っ張ったり押し込んだりすることで、高さ調整が出来ます。
古い車椅子だと錆び付いていて非常に固いです。回旋させながら引っ張ったり押し込んだりすると、動かしやすくなります。
- スパナでボルトを緩める
- フットレストごとフレームを伸ばす(もしくは縮める)
- 高さを合わせたらボルトを締める
アームレストの調整
アームレストを調整で、高さを変えることが出来ます。
調整方法は、アームレストの下方にあるレバーを上げるとストッパーが外れるので、その間にアームレストを上げ下げして高さ調節します。
ある程度の位置が決まれば、先にレバーを戻してからアームレストをガチャッと止まる位置まで微調整します。
大半の車椅子ではストッパーの穴の間隔が決まっているので、その間隔よりも細かくアームレストを調整することは出来ません。
- レバーを上げる
- アームレストを引き上げる(もしくは押し込む)
- 高さを合わせたらレバーを下げる
- アームレストをガチャッと音がする位置まで動かして固定する
バックレストの調整
バックレストの調整では、角度の変更や背張りを緩めたり張ったりすることが出来ます。
角度の調整
バックレストの角度は、リクライニング機能がついた車椅子であれば簡単に調節出来ます。
グリップ部分にレバーがあるので、それをグリップと一緒に掴みながら上下に動かすことでバックレストを倒したり戻したりすることが出来ます。
大抵はグリップの上側にリクライニングやティルトのレバーがあり、下側にブレーキのレバーがあります。
- グリップとリクライニングのレバーを掴む
- そのままハンドルごと上下方に動かす
- 角度を調整したらレバーを離す
背張りの調整
背張りの調整は、バックレストの後面のシートをめくり上げると帯状のマジックテープがついたベルトが出てくれば調整可能な車椅子です。
ベルトをきつく引っ張りながら締めると背張りがピンと張り、緩ませて締めると背張りが緩みます。
ベルトは四本程あるので、利用者の姿勢や状況に応じて各ベルトを締めたり緩めたりして調整します。
背張りの調整は、円背の方にも対応出来ます。
- ベルトのマジックテープを剥がして緩めておく
- 利用者に座面奥までしっかり腰掛けてもらう
- 利用者の姿勢に合わせて各ベルトを締めマジックテープでつける
ヘッドレストの調整
ヘッドレストの調整では、高さや前後の位置調整と角度調整をすることが出来ます。
高さの調整
ヘッドレストの高さ調整方法は、バックレスト後面の横のフレームにある左右のネジを緩めてヘッドレストを引き上げたり引き下げたりして行います。
- バックレスト後面の横にある左右のネジを緩める
- ヘッドレストを上下に動かす
- 高さを合わせたら左右のネジを締める
前後の調整
ヘッドレストの前後への位置調整は、ヘッドレストの後方にある六角棒レンチが必要なネジを緩めることで、行えます。
- 六角棒レンチでネジを緩める
- ヘッドレストの前後位置を調整する
- 六角棒レンチでネジを締める
角度の調整
ヘッドレストの角度調整方法は、ヘッドレスト後方にある二つのネジを六角棒レンチで緩めます。
これらのネジを緩めることで、ヘッドレストを上下左右に動かすことが出来ます。
- 六角棒レンチで二つのネジを緩める
- ヘッドレストを上下左右に動かし位置を調整する
- 六角棒レンチで二つのネジを締める
おわりに
初期設定の車椅子に適合する利用者は、ほとんどいません。
車椅子の各部分を調整することで、利用者の体格や姿勢に合わせていくことが出来ます。
ただ車椅子の種類によって、調整が出来ないものも多いです。