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高齢者

椅子に座ったまま楽々!初心者でもできるコグニサイズ体操5選

近年、認知症予防への関心が高まる中で、注目を集めているのが「コグニサイズ」です。

特に、椅子に座ったままできる簡単なコグニサイズの運動は、高齢者を中心に取り組みやすい方法として親しまれています。

コグニサイズは、日常生活に取り入れることで身体機能の維持を目指すだけでなく、脳を活性化し、認知症予防にも効果が期待されています。

例えば、計算やしりとりといった認知課題を、足踏みや手の動きといった運動と組み合わせることで、脳への適度な刺激を与えることができるのです。これらの動作は簡単で、特別な器具も必要なく、誰でも始めやすい点が魅力です。

将来的に高齢者の5人に1人が認知症になるといわれる中で、コグニサイズは自宅でも手軽にできる予防対策として注目されています。

本記事では、特に初心者でも安全に始められる椅子に座ったままできるコグニサイズについて、その効果や実践方法を詳しくご紹介していきます。ぜひ、毎日の生活に取り入れてみてください。

認知症予防の運動ランキングについては、下記記事をご参考ください。

認知症予防に適した脳トレと運動ランキング日本における高齢化が進む中、「認知症」は多くの人々にとって非常に重要な課題となっています。 厚生労働省やWHOが発表するデータによ...

コグニサイズとは?基本の考え方と効果

コグニサイズの概要:運動と認知課題の融合

コグニサイズは、「Cognition(認知)」と「Exercise(運動)」を組み合わせた造語で、国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防体操です。

この運動は、身体を動かしながら認知課題を同時に行う「デュアルタスク」を取り入れています。例えば、簡単な計算をしながら足踏みをしたり、しりとりをしながら手を叩いたりします。

このように、身体と脳を同時に使うことで認知機能を刺激し、脳の活性化を促します。

初心者にも最適!コグニサイズが注目される理由

コグニサイズが注目される理由の一つは、その手軽さです。特別な道具を必要とせず、自宅やデイサービスなど身近な場所で気軽に始めることができます。

また、運動と認知課題を組み合わせるというシンプルなコンセプトのため、高齢者や初心者でも無理なく取り組めるのが魅力です。

特に座ったまま行えるコグニサイズであれば、体力に自信のない方でも安全に実践できます。

認知症予防や身体機能改善への効果

コグニサイズは、認知症予防に非常に効果的とされています。

また、定期的に取り組むことでアルツハイマー型認知症のリスクを低減させる可能性があるともいわれています。

さらに、軽度認知障害(MCI)段階での症状進行を抑制する効果も期待されており、高齢者だけでなく幅広い年齢層での予防策として注目されています。

椅子で行うメリットと安全性について

椅子に座ったまま行うコグニサイズには、多くのメリットがあります。一つ目は、体への負担が少ないため、筋力やバランスに不安のある高齢者でも安心して実践できることです。

また、安定した姿勢を保ちながら運動できるため、転倒を防ぐ安全性の高さも特徴です。さらに、座位であれば限られたスペースでも取り組めるため、自宅や施設など場所を選ばない点も魅力といえます。

椅座位でのコグニサイズは、安全性を重視しながら、簡単に脳と体を刺激する方法として多くの方に適しています。

初心者向け!おすすめの椅座位コグニサイズ体操5選

足踏み×簡単な暗算

椅子に座った状態で足を交互に踏み出すように動かしながら、簡単な暗算を行います。

例えば、「2+3は?」や「10-4は?」など、計算の難易度を対象者のレベルに合わせて調節してください。

この運動は、足を動かすことで下半身の筋肉を鍛えると同時に、計算を行うことで脳を活性化させます。高齢者でも無理なく実践できる簡単なコグニサイズ体操のひとつです。

バンザイ×しりとり

両手を上に上げる「バンザイ」の動きを繰り返しながら、しりとりを行います。「りんご」「ごりら」「らっぱ」など、言葉のつながりを意識して進めましょう。

この体操では上半身の運動による血行促進効果と、言葉を考える認知課題が組み合わさり、認知機能の向上や認知症予防につながります。リズムを意識するとさらに効果的です。

手拍子×動物の名前を考える

椅子に座ったまま、一定のリズムで手拍子をしながら、動物の名前を思いつくだけ声に出しましょう。

例えば、「犬」「猫」「象」といった具合です。このデュアルタスクは、脳と身体を同時に使うことで脳を刺激し、認知機能の維持や向上につながります。また、リズム運動で楽しみながら簡単にできる点が初心者にもぴったりです。

両手の指体操×好きな食べ物をリストアップ

両手の指を開いたり閉じたりする動きを繰り返しながら、自分の好きな食べ物を思い浮かべてリストアップします。

「お寿司」「ラーメン」「アイスクリーム」など、自由に楽しく考えてみてください。指を動かすことは脳の活性化に効果があり、加えて考える課題を組み合わせることで認知症予防への効果も期待できます。

肘を回す×日付や曜日を言う

椅子に座り、肘を大きく回す運動を行いながら、今日の日付や曜日を声に出して言う練習をします。

また、「明日は何曜日?」「昨日は何日?」といった問いかけを交えると難易度が上がり、さらに脳を活性化させることができます。

腕を動かすことで血流が良くなり、脳への刺激も増加するため、座ったまま安全に取り組めるコグニサイズです。

椅子コグニサイズを楽しむための効果的な工夫

リズムや音楽を活用して楽しさをアップ

椅子に座って行うコグニサイズをより楽しく継続するためには、リズムや音楽を取り入れることがおすすめです。

例えば、軽快な音楽をバックグラウンドに流しながら行うことで、体も自然とリズムに乗りやすくなります。

手拍子や足踏みを曲のテンポに合わせれば、コグニサイズの運動課題と認知課題の両方を効率よく楽しみながら行えます。

特に高齢者にとって、音楽には記憶や感情を刺激する効果もあるため、脳の活性化に役立ちます。

一緒に取り組む仲間を見つけて続けやすく

コグニサイズは、仲間と一緒に行うことでさらに楽しいものになります。家族や友人、地域のサークル活動に参加することで、孤独感を減らし、継続へのモチベーションも高まるでしょう。

複数人で実施する際には、しりとりをする係や計算問題を出す係を交代しながら進めると、コミュニケーションと認知課題を同時に楽しめます。また、一緒に取り組む仲間がいることで、習慣化しやすいのも大きなメリットです。

負荷を調整して自分のペースに合わせよう

コグニサイズは、無理なく継続することが大切です。そのため、運動の強度や認知課題の難易度を、自分の身体や脳の状態に合わせて調整しましょう。

例えば、「足踏み×簡単な暗算」の足の動きが難しい場合は、かかとを軽く上下させる動きから始めるのも良い方法です。

また、計算問題が難しすぎると感じた場合は、足し算や引き算など簡単な問題から始めることで、やりやすさと達成感を得られます。これにより、高齢者でも安全に取り組むことができます。

記録でモチベーションを維持

コグニサイズを続けるためには、毎回の取り組み状況を記録しておくと良いでしょう。

例えば、実施した日付、行った運動や課題の種類、感想や達成できたことをメモに残すことで、進歩を可視化できます。このような記録は、モチベーションを維持する助けになるだけでなく、認知症予防に向けた自分自身の努力を振り返る良い材料にもなります。

「今日は足踏みを10分間続けられた」「暗算のスピードが速くなった」など、具体的な変化を感じ取ることで、次の挑戦につなげやすくなります。

コグニサイズを日常生活に取り入れるコツ

短い時間で手軽に行う方法

コグニサイズは、高齢者や初心者でも始めやすい運動です。忙しい日常の中でも、短時間で取り入れられる工夫をすることで、継続しやすくなります。

例えば、テレビを見ながら足踏みをする、もしくは朝の支度前に椅子に座って「かかと上げ+簡単な計算問題」を行うなどが挙げられます。

一度に長時間行う必要はなく、1回5分程度でも十分効果が期待できます。こうした簡単なコグニサイズを日々の生活に取り入れることで、認知症予防や身体機能の維持が可能になります。

家族や友人と一緒に楽しむ工夫

コグニサイズの魅力は、一人でも取り組める点ですが、家族や友人と一緒に行うことで、より楽しめます。

例えば、しりとりや動物の名前を交互に言い合いながら、運動を組み合わせる方法は対話も増え、コミュニケーションの向上にもつながります。

また、簡単なコグニサイズをみんなで笑いながら取り組むことで楽しく続けられるというメリットもあります。家族間の楽しいひとときとして実践するのもおすすめです。

毎日の習慣にするためのポイント

コグニサイズを日々の習慣として定着させるためには、「やるタイミングを決める」ことが重要です。

例えば、朝食後や夕食後など、毎日のルーティンの中で実施時間を決めると、自然と習慣化しやすくなります。

また、簡単な動作から始めることでハードルが下がります。カレンダーやスマホで記録をつけると、自分の進歩を確認でき、モチベーションも維持しやすいです。

デイサービスや地域のプログラムを活用する

コグニサイズを継続的に行う上で、デイサービスや地域で提供されている高齢者向けプログラムを活用するのも良い方法です。

専門の指導者がいる環境では、正しいフォームや負荷調整を学ぶことができ、安全性が確保されます。

また、同年代の仲間と共に行うことで、楽しさが倍増し、継続するモチベーションにもつながります。自治体が開催する認知症予防教室も、おすすめの選択肢の一つです。

ABOUT ME
たろ
【資格】理学療法士(15年)、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義
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