緑内障でも運転できる? 見えにくさに気づかない意外な理由と、安全運転を続けるための5つの工夫
緑内障と運転について
1. 緑内障とは?~視野が狭くなる「見えにくさ」が自覚されにくい理由~
緑内障は、視神経が徐々に損傷され、視野が狭くなる進行性の目の病気です。初期段階では自覚症状がほとんどなく、視力は保たれるため「見えているから大丈夫」と思いがちです。
このため、視野の異常に気づかないまま日常や運転を続けているケースが非常に多くあります。例えば、視力検査では問題なく通過できても、視野の中心部だけが見えていて周辺視野の欠損は発見されないことが多いのです。
2. 自覚症状がないまま運転を続けている人が多数|最新研究から見る危険性
実は、緑内障患者のうち64%が「運転に問題がない」と自覚しており、見えづらさや不安を感じたことがないと答えていることが、最新の大規模研究で明らかになっています。中には比較的重症例を含む状況です。
つまり、多くの患者が自己評価に頼って運転を続けるため、見逃された視野欠損が交通事故につながる可能性があるのです。
3. 緑内障が運転に及ぼす具体的リスク〜信号見落とし、死角、夜間など〜
緑内障による視野欠損は、以下の運転リスクを高める要因になります。
- 信号や標識の見落とし:特に左上の視野が欠けている場合、遠くから見えていても近づくと視野から外れるため、信号の色が変わっても気づかない恐れがあります。
- 左右からの飛び出し検知の遅れ:視野の左右や下方が欠けていると、歩行者や自転車、車が迫っているのに気づきにくくなるケースがあります。
- 夜間・薄暮・悪天候時の視認性低下:暗い環境や雨・雪・霧などの条件下では、視野が狭いことの影響がさらに顕著になります。
4. 「運転外来」やドライビングシミュレーターによる可視化と効果
東京の眼科病院を皮切りに、「運転外来」という診療形態が広がりつつあります。ここではドライビングシミュレーターを使って、緑内障患者の視界状況を可視化し、見落としているリスクを体験的に理解させる取り組みを行っています。
実際にこうした外来を受診した患者の約70%がその後も運転を継続し、事故を起こすような大きなトラブルは起きていないと報告されています。シミュレーター体験によって、自分の視野欠損を理解し、安全な運転への意識を高める効果があるのです。
5. 安全に運転を続けるための5つの工夫と対策
緑内障があっても安全運転を続けるために、以下の工夫が重要です。
- 定期的な眼科検診の受診
視野検査(ゴールドマン視野計・ハンフリーなど)を含む検診を、年に1回は受けましょう(最低でも免許更新時だけでは不十分です)。 - ドライビングシミュレーターの利用
病院で体験し、自分がどの方向で見えにくくなっているかを具体的に把握しましょう。 - 運転時の動作を工夫する
首や目を積極的に動かして死角を補ったり、速度を落とし、車間距離を十分に取るよう心がけましょう。 - 支援機器・技術の活用
標識認識アシスト、アダプティブクルーズ、全方位カメラ付きドライブレコーダーなどの安全補助機能を活用することで精神的にも負担が軽減できます。 - 悪条件下の運転を控える
夜間や雨・霧、見慣れない地域での運転は避け、どうしても運転が必要な場合は慎重に行動しましょう。
6. 家族・医療機関との連携と、免許返納の検討タイミング
本人が自覚しにくい病態のため、家族や周囲が異変に気づきやすい環境づくりが重要です。同乗者として運転状況を観察し、必要なら眼科への受診や運転見直しを促しましょう。
また、状況によっては免許自主返納も視野に入れましょう。自治体によっては、返納後のタクシー券支給や公共交通利用補助などのサポートもあります。返納のタイミングを家族と相談し、安心して生活を継続できる移動手段の準備も同時に検討することが大切です。
7. まとめ:緑内障でも安心して運転を続けるために
自覚症状が少ない緑内障は、知らないうちに視野が欠けて運転リスクが高まっていることがあります。しかし、定期的な眼科検診やシミュレーターでの体験、運転時の工夫、安全装備の活用、そして家族との連携があれば、安全な運転を長く続けられる可能性は十分にあります。
「緑内障だから運転できない」ではなく、「緑内障でも見えにくさに気づき、対策しながら運転する」が、これからの時代に求められる考え方です。ぜひ、この記事をきっかけに、ご自身やご家族の目の状態や運転習慣を見直してみてください。
飛蚊症が若い人に急増する原因は、下記記事をご参考下さい。

