身体が不自由になって一人で歩きにくくなってきたときに、歩行器を使用する場合があります。歩行器は、シルバーカーや杖などよりも安定性が高くなります。

歩行器には様々な種類のものがありますが、そのなかのひとつにピックアップ式歩行器というものがあります。

今回は、ピックアップ歩行器の使い方についてご紹介します。

前腕支持型歩行器については下記記事をご参考ください。

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ピックアップ歩行器とは

ピックアップ歩行器とは、4つの支点(脚部)があるフレームでつくられた歩行器です。キャスターがついていないため前に押して歩くタイプではなく、上肢で持ち上げ前に出して歩くタイプの歩行器になります。(固定型歩行器とも言われます。)

4つの脚部にキャスターがないため、通常の歩行器に比べても安定感は非常に高くなります。その一方使い勝手が悪く、速く歩くことが出来ません。

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ピックアップ歩行器のメリットデメリットは

以下に、ピックアップ歩行器のメリットとデメリットをまとめます。

 

ピックアップ歩行器のメリット

1. 安定性が高い

地面に4点すべてが接しているため、非常に安定しています。転倒リスクを抑えるのに効果的です。

 

2. スピードを抑えられる

押しながら歩くタイプ(前輪付き歩行器)と比べて、使用者が自分のペースで進めるため、暴走しにくいです。

 

 

3. 筋力トレーニングにもなる

持ち上げて前に進める動作が必要なので、上半身の筋力強化にもつながる可能性があります。

 

 

4. 制御がしやすい

自分で「歩行器を置く位置」を決められるため、段差や障害物に対して慎重に対応できます。

 

 

5. 室内利用に向いている

スピードが出にくく、狭い空間でも使いやすいです。

 

ピックアップ歩行器のデメリット

1. 操作に力が必要

毎回持ち上げる必要があるため、腕や肩に負担がかかります。筋力が弱い人には不向きです。

 

2. 長距離には不向き

力が必要な分、長距離の移動や外出には疲れやすく、効率が悪いです。

 

3. スムーズな動きが難しい

スムーズに前進するのが難しく、歩行がぎこちなくなることもあります。

 

4. 屋外の凹凸に弱い

車輪がないため、段差や砂利道などで持ち上げづらく、転倒リスクが高まることも。

 

5. 床を傷つける可能性がある

使い方によっては、フローリングなどを擦ってしまうこともあります。

 

ピックアップ歩行器の使い方は

ピックアップ歩行器の使い方は、

  1. 両上肢で歩行器を持ち上げて前に出す
  2. 患側(弱いほうの)下肢を前に出す
  3. 健側(強いほうの)下肢を前に出す

の順番に動かして歩きます。歩行器の中に身体が入り過ぎたり、歩行器と身体の距離が離れ過ぎないように、歩行器の後ろ側の脚部の2点を結んだ直線上に足部が接地するようにするとわかりやすいです。

 

ピックアップ歩行器が向いている人は

ピックアップ歩行器は扱いにくさもありますが、使い方によってはしっかり身体を補助し安定した移動が可能となります。

ピックアップ歩行器が向いている人を以下にまとめました。

  • 室内での安定した歩行を重視する方
  • 歩行のリハビリ中で、ゆっくり歩きたい方
  • 上半身の筋力がある程度ある方
  • スピードの出る歩行器に不安がある方

ピックアップ歩行器を使用しないほうがいい人は

ピックアップ式歩行器を使用している高齢者

ピックアップ歩行器は、歩行器を持ち上げて使うタイプになるため、上肢の機能がある程度高くないと使用するのが難しいです。

  • 上肢の筋力が弱い
  • 片マヒ
  • 手すりなしでの立位保持が困難 など

上記の人達は、ピックアップ式歩行器を使用するのは難しくなるため、ピックアップ歩行器とは違う歩行補助具を使用したほうが良いです。

 

おわりに

ピックアップ歩行器は、安定感が非常に高く、使う人によっては安心感が抜群にあります。

ただ歩行器を上肢で持ち上げて使用するというように、通常のキャスターつきの歩行器よりもやや扱いにくく慣れるまでに時間がかかる場合があります。

ABOUT ME
たろ
【資格】理学療法士(15年)、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義