下肢の筋力が弱くなり歩きづらくなってくると、シルバーカーを使う場合があります。
街などでもシルバーカーを押している高齢者の方を、たまに見かけることがあります。
このシルバーカー、実はメリットばかりだけでなくデメリットもあるのです。
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シルバーカーとは
「シルバーカー」とは、高齢者の方達が移動や買い物をしやすいように補助をしてくれるものです。「手押し車」や「押し車」とも呼ばれています。シルバーカーは、自転車のようにハンドル(持ち手)のところにブレーキがついています。
シルバーカーは、介護保険給付の対象とはなりません。
シルバーカーにはたくさんの種類があり、
- 座面がついていて座れるタイプ
- 荷物などを入れるための袋がついているタイプ
- 使わない時は折り畳んで小さく出来るタイプ
- コンパクトなタイプ
- ずっしりと大きな(ボックス)タイプ
などもあります。
シルバーカーのデメリットとは
シルバーカーで考えられる、6つのデメリットをご紹介します。
姿勢が悪くなる
シルバーカーを使用すると、両手を前に出して押しながら歩くので背中が曲がってしまいます。
ハンドル部分が高過ぎても、低過ぎても姿勢が悪くなる原因となります。
一般的に言われているハンドルの高さの目安は、下記になります。
身長÷2+5(~15)cm
杖のグリップの位置よりも、若干高めにします。
溝にはまる可能性がある
シルバーカーのキャスター(車輪)は、歩行器のキャスターに比べて小さいものが多く、溝にはまりやすいです。
特に注意したいのが踏み切りを渡る際の、線路の溝です。
キャスターが真っ直ぐ前を向いていれば溝にはまることは少ないのですが、小回りの利きすぎるキャスターではハンドルを少し横に向けただけでグルッと回転するのでキャスターが横向きになりやすいので注意が必要です。
最近では、シルバーカーのキャスターがダブルキャスター(車輪が2つ合わさってる)のものが多いです。ダブルキャスターのほうが溝にはまりにくくなりますし、安定性が高く安心です。
体重をかけられない
歩行器の場合、ある程度体重をかけて歩くことが出来ます。
しかしシルバーカーの場合、歩行器のように体重をかけてしまうとシルバーカーごとひっくり返ってしまいます。そもそも、シルバーカーは体重をかけて歩くようには設計されていません。
シルバーカーは手を添える程度で歩ける方でないと、使用するのは難しいです。手を添える以上の介助や補助が必要な方は、歩行器や歩行車が向いています。
座面が小さい
シルバーカーは、座れる用に座面がついているものが多いです。
ただ、この座面が結構小さいシルバーカーが多い気がします。大きなタイプのものもありますが。
シルバーカーの座面に座る場合には、座りそこねやブレーキのかけ忘れに注意しましょう。
手が不自由な方には向いていない
シルバーカーは手でハンドルを持ち押していく車のため、手が不自由な方には向いていません。
また片麻痺や怪我などで、両手の機能に著しく左右差がある場合には、シルバーカーを押して真っ直ぐ前に進むのが難しいので実用的ではありません。
介護保険の給付対象ではない
歩行器や歩行車などは介護保険の給付対象となりますが、シルバーカーは介護保険の給付対象とはならないので気をつけておきたいところです。
おわりに
シルバーカーは、対象者によっては非常に扱いやすく便利な補助具になります。
物を入れる袋がありますし、疲れたら途中で座って休憩することも出来ます。
しかしシルバーカーは、あくまでも自立して動ける方が対象となるので介助量が多い方などには向いていません。