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理学療法士の給料は?他職種と比較!収入レベルを解説

理学療法士をこれから目指す方にとって、最も気になることは「給料はいくらくらいなのか」というところだと思います。

理学療法士の給料は勤務場所や経験年数によって多少異なりますが、今回は私の経験談や調べた結果から「理学療法士の給料」についてご紹介したいと思います。

はじめに

近年、医療・福祉業界における専門職の需要が増えている中で、理学療法士の存在感がさらに高まっています。

理学療法士は、患者の身体機能の回復や維持をサポートする重要な役割を担っていますが、その給与はどのような水準なのか、他職種と比較したときにどのような位置付けにあるのでしょうか。

本記事では、理学療法士の給与について詳しく解説し、その平均年収や給与構成を他の職種と比較することで、収入レベルの現状を把握していきます。また、理学療法士の給与がなぜ低めに設定されているのか、その理由も探ります。

理学療法士の給料の平均は?

厚生労働省の統計データ

厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』によれば、2016年度の理学療法士の年収の平均は406万円程度となっています。

2017年度の平均年収は405万円程度、2022年度の平均年収は431万円程度です。

これに対して、全産業の平均年収は約463万円であり、理学療法士の給与はやや低めといえるでしょう。

初任給は約24万円で、経験の浅い理学療法士の場合、年収は約290万円程度が相場です。月収に関しては約30万円で、賞与は年約69.8万円が目安となっています。

これらのデータから、理学療法士の給与は継続的な経験の積み重ねによって上昇していくことがわかります。

理学療法士の給与構成

理学療法士の給与は、月給と賞与によって構成されており、最新の調査によると、月給は約300,900円で、年間賞与は約714,400円というデータがあります。

これをもとに年間収入を算出すると、約4,325,200円となります。これに対し、全産業の月給の平均は311,800円、年間賞与は884,500円であり、理学療法士の給与構成は初任給の時点から若干低めに位置しています。

また、労働形態によっても給与が異なり、正社員の平均給与は309〜761万円と幅が広く、アルバイト・パートの場合の時給は1,470円というデータがあります。

これらの統計は、理学療法士の給与が雇用形態や経験年数によって様々な要因で変動することを示しています。

他職種との給与比較

医師や看護師との比較

理学療法士の平均年収は約431万円とされています。この数字は医療業界内での他職種、特に医師や看護師との比較において注目されます。

医師の平均年収はかなり高く、時に1,000万円以上に達することがあります。

一方、看護師の平均年収は約480万円となっており、理学療法士よりも少し高い水準です。理学療法士と看護師の給与の差は、業務の専門性や責任範囲、勤務形態の違いに起因しています。

医師はさらに高い専門性が求められ、診断や治療に対する責任も大きく、それに伴い高い給与が設定されています。

一般企業の給与との比較

一般企業の平均年収は約463万円で、理学療法士の給与はそれよりわずかに低い水準にあります。

一般企業の給与は職種や業種により大きく変動しますが、大卒者の新卒平均年収が約270万円から300万円程度で、この点においては理学療法士の初任給と大きな差はないようです。

しかし、理学療法士は賞与の面ではやや見劣りすることもあります。賞与を含めた年収の総額では、一般企業でのキャリアアップが進むと、給与差が広がる可能性があります。

こうした背景から、理学療法士としての転職やスキルアップを視野に入れつつ、高収入を目指すキャリアプランを考える方も増えています。

理学療法士の給与が低めな理由

業界特有の要因

理学療法士の給与が低めである理由として、業界特有の要因が考えられます。理学療法士は専門性が高い職種ですが、同時に医療機関やリハビリテーション施設における必須人材として幅広く求められています。

このため需給バランスが崩れやすく、多くの理学療法士が得られる仕事の給与は、業界全体として平均年収に影響を与えていると言えます。

また、理学療法士は資格取得が比較的容易であるため、供給過多の状態が進行しやすいことも一因です。平均年収は約431万円と全産業の平均と比較して低く、月収や賞与も相場より抑えられている傾向にあります。

日本の高齢化社会との関連

日本の高齢化社会と理学療法士の給与の関係についても注目する必要があります。高齢化が進む日本では、リハビリテーションの需要が増しており、理学療法士の役割は非常に大きなものとなっています。

しかしながら、医療・福祉予算の制約や保険制度の影響から、医療・介護施設での給与水準を引き上げることが困難な状況があります。

給与の相場は、必要な支出と予算の範囲内で決められるため、高齢化という社会構造上の課題が理学療法士の平均年収に影響を及ぼしているのです。

したがって、理学療法士の給与が上がりにくい背景には、社会全体の高齢化に伴う予算制約が存在しているのです。

理学療法士が高収入を目指す方法

理学療法士の勤務場所による給料の違い

周りから聞いた話や私が実際に働いてきた経験から、「理学療法士の勤務場所による給料の違い」をご紹介します。

訪問看護・訪問リハビリの給料

訪問看護・訪問リハビリの給料は、その他の勤務場所の給料に比べて高いケースが多いです。

年収で300万円台後半から400万円台といったところでしょうか。しかも訪問看護・訪問リハビリで勤務すると、この年収だけでなくインセンティブ(歩合制)が上乗せされることがあります。

週で何件以上訪問、月で何件以上訪問といったように条件がありますがその件数以上の訪問の仕事をすると、給料にインセンティブが加算されていきます。

インセンティブがつくまで件数をまわるのは結構大変ですが、頑張れば年収600万円、700万円以上と稼げる場合もあるようです。

会議などで残ることはほぼないため、残業手当などはなかったです。

デイサービスの給料

デイサービスの給料は年収300万円前半~よくて400万円程度が多い印象です。

私が勤務していたデイサービスの機能訓練指導員の給料は、だいたい年収380万円程度でした。

月1~2回の会議で残業することがあり残業手当がつきましたが、それ以外の送迎などで時間が遅くなる分には残業手当がつきませんでした。

特別養護老人ホーム(特養)の給料

特養の給料もデイサービスとの給料と似たようなもので、年収350万円~よくて400万円程度が多いです。

私が勤務していた特養の機能訓練指導員は年収400万円いくかいかないか程度でした。特養での残業は、月1~2回の会議で残業するくらいでした。

介護老人保健施設(老健)の給料

老健の給料は、年収300万円台後半が多い印象です。私の友人も年収380万円くらいもらっていた気がします。

リハビリのリーダークラスでは年収450万円程度もらっている人もいました。

病院の給料

病院の給料はその他の勤務場所の給料に比べて低い印象です。300万円台が多いのではないでしょうか。

私が勤務していた病院はたまたま給料が良かったので年収400万円はもらえてました。ただ賞与なし、交通費支給なしだったので実質にはもう少し年収は下がります。電車の定期代で月1万五千円程度払っていたので。

会議などは業務内で行い、基本的には残業手当はつきませんでした。勉強会が多かったのですが、勉強会で遅い時間まで残っても当然残業手当はつきませんでした。

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給料の多い理学療法士の勤務場所は

私が勤務してきた経験や周りの友人から聞いた統計で、給料の多い理学療法士の勤務場所は、

  1. 訪問看護・訪問リハビリ
  2. 老健
  3. デイサービス
  4. 特養
  5. 病院

の順に多くもらえる印象です。

特に訪問の仕事は、このなかでも最も給料を多くもらえる可能性が高いと言えます。ただ、会社や法人によって給料は異なるのであくまでも私の統計上の順位になります。

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キャリアアップのための資格取得

理学療法士が高収入を目指すためには、キャリアアップを図ることも重要です。認定理学療法士や専門理学療法士といった資格を取得することで、専門性を高め、給与の上昇を期待できます。

資格の取得は、理学療法士の平均年収を超える収入を実現するための一助となります。また、管理職を目指すことでも収入アップが見込まれます。

さらに、資格取得のために必要な研修や学位取得を補助する制度を提供している医療機関もあるため、このような制度を活用することも考慮すると良いでしょう。

理学療法士としての専門性を磨くことで、より有利な条件で転職する機会を得ることも可能です。

まとめと今後の展望

理学療法士の将来性

理学療法士は、今後の日本の高齢化社会において非常に重要な役割を果たすと考えられます。高齢者の増加に伴い、リハビリテーションや介護の需要が急速に増加しており、理学療法士の活躍の場も広がっています。

例えば、病院やクリニックだけでなく、訪問リハビリやデイサービスなど様々な場面でのスキルが求められています。このような背景から、理学療法士の職は安定していると言えるでしょう。

また、国家資格として信頼性も高く、多くの人々に健康と生活の質向上を提供できる点で、社会的意義も大きい職業です。

収入アップの可能性

収入アップを目指す理学療法士には、いくつかの選択肢があります。まず、キャリアアップを考える際には、管理職を目指したり、専門的な認定資格を取得することが有効です。

これにより、専門性が増すだけでなく、給与の増加も期待できます。また、働く場所の選択肢を広げることも重要です。例えば、高度な医療設備や独自のリハビリプログラムを持つ大規模医療施設や、地域で特化したリハビリサービスを提供する事業所では、高収入の求人が出ることもあります。

このように、理学療法士としてのスキルを高め、適切な現場を選ぶことで、収入アップの可能性が広がります。

ABOUT ME
たろ
【資格】理学療法士(15年)、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義
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