医療知識

身体拘束の三原則と事例。

介護や医療の現場で働いていると、目の当たりにするのが患者さんの身体拘束です。

身体拘束については、人それぞれ賛否両論があります。

今回は介護や医療現場の身体拘束はどのようなものなのか、ご紹介していきます。

身体拘束とは

介護や医療の現場で行われる身体拘束とは、どのようなものなのか。
当然、理由なく身体拘束を行うわけがありません。

患者本人の生命の保護、自他への重大な身体損傷を防ぐために行われる行動制限である。医療拘束とも呼ばれる。

出典元:「身体拘束」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%BA%AB%E4%BD%93%E6%8B%98%E6%9D%9F)。2019年9月12日11時(日本時間)現在での最新版を取得。

徘徊をする人や点滴を抜去する人などに、拘束帯やミトン(手袋)などを装着し身体を押さえつけて、患者さん本人の安全を確保します。

良く言えば『身体・生命保護』、悪く言えば『自由を奪う拘束』です。

 

身体拘束の三原則

身体拘束は誰でもかれでもやっていいというわけではありません。不必要な拘束は、絶対にしてはいけません。

厚生労働省の「身体拘束ゼロ作戦推進会」によると、身体拘束を行うには三原則があるということです。

その三原則とは切迫性、非代替性、一時性の三つです。

切迫性 利用者本人又は他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。

非代替性 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと。

一時性 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。

出典:身体拘束ゼロへの手引き-高齢者ケアに関わるすべての人に|厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会」

 

身体拘束の実際の例

「これは身体拘束に当てはまるのか」

「知らず知らずのうちに身体拘束をしていた」

具体的にどのようなことが身体拘束に当てはまるのか、いくつか代表例を挙げてみます。身体拘束ゼロを宣言している施設などでも、よく見ると身体拘束をしていることがあります。

身体拘束事例

  • 立ち上がって転倒しないように、拘束帯を身体と車椅子に結びつける。
  • 起き上がってベッドから転落しないように、四点柵をする。
  • 徘徊して転倒しないように、部屋の扉に鍵をかける。
  • 点滴や経管栄養チューブなどを抜去しないように、ミトンを装着する。

 

身体拘束廃止に賛成派・反対派の意見

身体拘束は、その人の命を守る一方、自由を奪うことになりかねません。そのため、身体拘束には賛否両論の意見があります。

病院や施設などでは、身体拘束廃止に力を入れているところも多くあります。

身体拘束をするべきか、しないべきか。賛成派と反対派のそれぞれの意見を見ていきましょう。

身体拘束廃止に賛成派の意見

人権や尊厳を損なうので身体拘束をしてはいけない
安全を確保するために、身体拘束以外の方法を考えていく必要がある
職員の都合で不必要な身体拘束を行うことがあってはならない

 

身体拘束廃止に反対派の意見

安全対策には身体拘束が必要
職員不足のなか身体拘束ゼロは難しい
拘束をする理由を職員一人一人がしっかり把握していれば、身体拘束をしても良い
急性期ではとくに命に関わるため、身体拘束はやむを得ない

 

おわりに

身体拘束は安全な生活や生命を保護するためのものですが、反対に自由を奪うため人権や尊厳を損なうものでもあります。

命に関わるやむを得ない事情があり、家族からの同意がある場合には身体拘束を行うのも必要かと思いますが、職員の都合で不必要な身体拘束を行うべきではありません。

どこまでが身体拘束になるのか、線引きが非常に難しいところではあります。

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たろ
たろ
【資格】理学療法士(10年)、ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、特養、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義

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