どの業界も専門用語があり、働き始めは意味を理解するだけでも大変です。
医療・福祉系でも専門用語が非常に多く、理解するのが大変なときがあります。
「理学療法士は基本動作」、「作業療法士は応用動作」という言葉を聞いたことはありませんか?
基本動作と応用動作は、それぞれどういう動作を指しているのでしょう。
今回は、「基本動作と応用動作の違い」についてご紹介していきます。
基本動作と応用動作の違い
基本動作とは?
基本動作とは、日常生活を過ごす上で行う基本的な動作のことを言います。
理学療法士は、この基本動作の訓練を中心にリハビリを行います。
- 寝返り
- 起き上がり
- 坐位保持
- 立ち上がり
- 移乗
- 立位保持
- 歩行など
寝返り、起き上がり、坐位保持、立ち上がりなどを合わせて起居動作とも言います。
基本動作は日常生活を送る全ての人に必要な基本的な動作であり、もしこの基本動作が行えなければ日常生活を快適に過ごすことが出来なくなってしまいます。
簡単な例を挙げてみます。
洗面所へ行って顔を洗うには、
・洗面所へ行く
洗面所まで歩く(歩行)
・顔を洗う
立ちながら顔を洗う(立位保持)
といったように、歩行と立位保持の基本動作能力が必要です。
朝起きてトイレで用を足すには、
・起きる
寝返り+起き上がり+坐位保持
・トイレへ行く
立ち上がり+立位保持+歩行
・用を足す
移乗(便座へ)+坐位保持
といったように、寝返り~歩行の基本動作能力が必要です。
このように、普段何気なく行っている日常生活動作の中には基本動作がたくさん入っています。
応用動作とは?
応用動作とは、基本動作を基盤に、より日常生活に関連した目的のある動作のことを言います。
- 食事動作(食べる)
- 整容動作(身だしなみを整える)
- 更衣動作(着替える)
- 排泄動作(用を足す)
- 入浴動作(お風呂に入る)など
このように食事をする、整容をする、更衣をするなど、何かの目的に向かって行う動作です。
食事動作であれば、
・食べる(目的)
坐位保持(基本動作)+箸を掴む・箸を使って挟む・肘を曲げるなどの動き(応用動作)
整容動作であれば、
・髪を整える(目的)
坐位保持もしくは立位保持(基本動作)+櫛を掴む・肩を挙上するなどの動き(応用動作)
といったように、応用動作は基本動作+目的を行うために必要な動作となります。
まとめ
基本動作と応用動作には違いがあります。
応用動作を行うには、まず基本動作が出来なければなりません。
「理学療法士は基本動作」、「作業療法士は応用動作」のリハビリを中心に行うことが多いですが、必ずしもこのように分けられているわけではいません。
理学療法士が応用動作訓練を行うことはありますし、作業療法士が基本動作訓練を行うこともあります。