高齢者施設や障害者施設などで、絶対に欠かせない車椅子。
車椅子があることで坐位を保てたり移動範囲が広くなったりと、高齢者や障害者の日常の生活が変わります。
そんな無くてはならない車椅子には、各部分に名称があります。全ての名称を完璧に覚えておく必要はあまりありませんが、なんとなくでも知っておいて損はありません。
今回は車椅子の各部の名称を、主要な部位のみご紹介致します。

車椅子の各部の名称
車椅子の各部の名称は下記になります。

①フットレスト
②レッグレスト
③駐車ブレーキ
④駆動輪
⑤ハンドリム
⑥キャスター
⑦サイドガード
⑧ティッピングレバー

⑨グリップ
⑩介助用ブレーキ
⑪バックレスト

⑫アームレスト
⑬シート

車椅子の各部位の役割
車椅子の各部位のそれぞれの役割について、ご紹介致します。
①フットレスト
フットレストは、足部を乗せておく足台になります。フットサポートとも呼ばれています。
フットレストの高さを調節可能な車椅子が多いです。
フットレストは立ち上がり時に邪魔になるので、その際には閉じておきます。フットレストを取り外し式の車椅子もあり、その場合には移乗時などで下肢にぶつかる心配がなくなり動作が行いやすくなります。
②レッグレスト
レッグサポートとも呼ばれています。
レッグレストは、下肢がフットレストの後方に落ちないようにするストッパーのような役割があります。
そのため、下肢の巻き込み事故を抑制してくれます。
ただレッグレストがあると立ち上がり時などに足部を後方に引ききれないために、少し立ち上がりにくくなる場合があります。
③駐車ブレーキ
車椅子を駐車しておくときに、使用するブレーキです。立ち上がりなどの動作時や一定時間以上止まる際には必ず駐車ブレーキをかけておく必要があります。
駐車ブレーキを後方に引くことでブレーキがかかりますが、前方に押してもブレーキがかかる車椅子もあります。
駆動輪の空気圧が低いとブレーキの効きが甘くなり、事故に結び付く場合があります。
自走する方で駐車ブレーキに手が届かない方は、ブレーキの棒を伸ばして調節したり、サランラップの芯をブレーキの棒に被せて手が届きやすいように調節することがあります。
④駆動輪
車椅子のタイヤです。自転車などのタイヤと同様に少しずつ空気が抜けたり、パンクする場合があるので定期的なチェックが必要になります。
また長期間使用していると、駆動輪にひび割れなども出てくるので注意が必要です。
⑤ハンドリム
ハンドリムは、自走して車椅子をこぐ方が使用するものです。
ハンドリムを両手で掴んで前方に押せば進み、後方に引けば後退します。方向転換時には、片方のハンドリムだけを前方に押す、または片方を押してもう片方を引きます。
握力が弱い方などは滑り止めつきの手袋などを装着していると、ハンドリムを掴む手が滑らずにスムーズにこぐことが出来ます。
⑥キャスター
キャスターは、車椅子の方向転換をスムーズにするために前後左右に回転します。
不整地な場所などでは、キャスターが大きいほうが移動しやすくなります。
⑦サイドガード
スカートガードとも呼ばれています。
サイドガードがあると、手や衣服が駆動輪やハンドリムに巻き込まれないようにしてくれます。
⑧ティッピングレバー
ティッピングレバーは、介助者が使用するものです。ティッピングレバーを足で踏むことで、車椅子の前方(キャスター)を持ち上げることが出来ます。
ティッピングレバーを踏む際には、グリップを掴んでおかなければ危険です。
⑨グリップ
介助者が車椅子を操作する際に持つところになります。
ハンドルとも呼ばれています。
⑩介助用ブレーキ
介助用ブレーキは、介助者が使用するブレーキになります。操作方法は自転車のブレーキに似ています。
⑪バックレスト
バックサポートとも呼ばれています。
バックレストは簡単に言えば、背もたれです。
背張りを調節可能な車椅子や、バックレストの角度を調節可能な車椅子があります。
⑫アームレスト
アームサポートとも呼ばれています。椅子の肘掛けの役割があります。
移乗時などにアームレストを持つことで、動作が容易になる場合があります。
障害が重度な方を介助で移乗する際には、アームレストが邪魔になる場合があるので取り外し式や跳ね上げ式のものであれば移乗しやすくなります。
⑬シート
シートは座面です。
車椅子はもともと移動式の椅子であるため、長時間座っておくための椅子ではありません。シートは一見柔らかそうにも思いますが、触ってみると結構固いです。
そのため、車椅子のシートにずっと座っているとお尻が痛くなることがよくあります。とくにやせ形の方などには、座布団やクッションなどがあると良いです。
テイルト式車椅子であれば、座面の角度を容易に変えることが出来ます。
