肢位・姿勢

ファーラー位の対象者とデメリットとは?

数多くある肢位のなかには、「ファーラー位」という肢位があります。

このファーラー位は、対象者によっては非常に楽な肢位となることがあるので知っておいて損はありません。

 

ファーラー位とは?

ファーラー(ファウラー)位とは、背臥位からギャッジアップ(電動ベッド)で頭側(背上げ)を45°程度挙上した肢位となります。

15°~30°程度の挙上であればセミファーラー位となります。

ファーラー位とセミファーラー位の両者ともに半坐位とも呼ばれています。

通常ギャッジアップで頭側のみを挙上すれば、身体が下側にズレることが多いため、下肢側(脚上げ)も軽く挙上しておきます。また下肢側を軽く挙上しておくことで、より楽な肢位へとなります。

 

ファーラー位の対象者とは?

ファーラー位やセミファーラー位のメリットは、

本来は,腹部手術後にドレナージを促進させることを目的とした体位だが,腹部臓器による肺の圧迫を軽減することから呼吸機能の改善を目的としたり,体位ドレナージや経管栄養時の逆流防止の目的に用いられる。

出典元:ファウラー体位|日本救急医学会

「体位ドレナージ」とは、様々な体位(肺の痰が貯留している側を上にする)によって排痰を促す方法です。

 

ファーラー位やセミファーラー位が推奨されている対象者をまとめると、下記になります。

  • 肺上葉に痰が貯留している
  • 呼吸機能が低下している
  • 経管栄養をしている
  • 食事後の逆流が多い
  • 坐位保持が困難
  • 腰痛があるなど

 

ファーラー位の褥瘡好発部位とは?

ファーラー位でも、他の体位と同様に長時間同一体位でいることで褥瘡が発生する危険はあります。

ファーラー位の褥瘡好発部位は、下記になります。

  • 後頭部
  • 肩甲骨部
  • 仙骨部
  • 坐骨部
  • 踵骨部

 

ファーラー位のデメリットとは?

ファーラー位は安楽な体位で知られていますが、デメリットがいくつかあります。

姿勢が崩れやすい

ファーラー位はギャッジアップで強制的に体位をつくるため、姿勢が崩れやすいです。

特に下肢側を挙上する前に頭側を挙上してしまうと、身体がどんどん下の方にズレていきます。
また、車椅子のアームレストのような肘置きがないため、左右へ身体が傾きやすいです。

ファーラー位の姿勢崩れへの対処としては、

  • ギャッジアップで下肢側も挙上する(1モーターベッドで背上げ機能しかない場合には大腿部下にクッションを入れて下肢を曲げる)
  • 対象者の左右両側にクッションを置き、腕置きをつくる

身体にストレスがかかりやすい

ファーラー位をギャッジアップでつくる場合、対象者が臥床してる位置によってはベッドの回転軸とズレて身体が窮屈に曲げられストレスがかかってしまいます。

対処としては、対象者の股関節(大転子付近)と背上げ機能の回転軸を合わせてベッドに臥床してもらっておきます。

食事を摂りにくい

坐位保持が困難な対象者などは、ファーラー位をとると頭部や体幹は後方にもたれたままになります。

後方にもたれたままということは、頚部は後屈しやすい状態にあります。
その状態で食事を摂れば誤嚥しやすくなってしまいます。

ファーラー位の誤嚥対処は、下記になります。

  • 頭側の挙上角度を増やす(もしくは背中部分にクッションなどを入れて体幹を前傾させる)
  • 後頭部に厚さのあるクッションなどを入れて頚部前屈位となるよう調節する
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たろ
たろ
【資格】理学療法士(10年)、ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、特養、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義

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