肢位・姿勢

片麻痺によく起こる拘縮と肢位とは?

脳卒中後の片麻痺のケースでは、関節拘縮が起こりやすい部位があります。

関節拘縮が進行してしまうと、日常生活にも支障をきたす可能性があります。

そのため、関節拘縮が起こりやすい部位を理解しておき、前もって対応をしておきたいところです。

片麻痺に起こりやすい拘縮

片麻痺になると、なりやすい肢位があります。

その肢位で放置をしていると当然拘縮が出来てしまうので、注意しておかなければいけません。

片麻痺とは?

「片麻痺(かたまひ・へんまひ)」とは、脳梗塞や脳出血などによって左右どちらか片側の上下肢が麻痺で動かせない状態のことを言います。

よく「半身不随」や「半身麻痺」とも言われています。

上下肢を全く動かすことが出来ないケースは完全片麻痺と言い、少しでも動かすことが出来れば不全片麻痺と言います。

 

片麻痺に起こりやすい肢位とは?

脳卒中後の片麻痺のケースでは、痙縮性の関節拘縮が起こりやすくなります。

痙縮とは、

筋緊張が高い状態のことを言います。筋緊張が高まることで意識的に上下肢を動かしにくかったり、無意識的に上下肢が動いてしまいます。
他動的に上下肢を動かせば、動かし始めは筋緊張が高く抵抗が強いのですが徐々に弱くなってきます。

痙性や痙直などとも呼ばれます。

 

下記は、脳卒中後の片麻痺のケースによくみられる肢位になります。

【上肢】

肩関節-内転・内旋位
肘関節-屈曲位
前腕-回内位
手関節-掌屈位
指関節-屈曲位

 

【下肢】

股関節-伸展位
膝関節-伸展位
足関節-内反・底屈位

片麻痺の場合、上肢は屈曲位(曲げる方向へ)、下肢は伸展位(伸びる方向へ)へと痙縮が起こりやすいです。

このような肢位を、ウェルニッケマン(Wernicke-Mann)肢位と呼びます。

 

片麻痺の関節拘縮の好発部位は?

ウェルニッケマン肢位のような状態を長時間・長期間続けていると、当然関節拘縮が起きやすくなります。

そのため片麻痺の関節拘縮の好発部位は、

【上肢】

肩関節-内転・内旋
肘関節-屈曲
前腕-回内
手関節-掌屈
指関節-屈曲

 

【下肢】

股関節-外転・外旋・伸展
膝関節-伸展
足関節-内反・底屈

関節拘縮を予防するには、定期的な運動やポジショニングが重要となります。

 

一般的に関節拘縮が起こりやすい部位は、こちらの記事をご参考下さい。

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たろ
【資格】理学療法士(15年)、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義

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