ポジショニング

身体のポジショニングとは?目的や効果は?

医療・介護の現場で働いていると「ポジショニング」という言葉を聞くことがあります。

ポジショニングは身体の不自由な方にとって、非常に重要な介護・リハビリなのです。

 

身体のポジショニングとは?

 

ポジショニング(positioning)とは、

運動機能障害を有する者に,クッションなどを活用して身体各部の相対的な位置関係を設定し,目的に適した姿勢(体位)を安全で快適に保持することをいう。
出典元:日本褥瘡学会で使用する用語の定義・解説|日本褥瘡学会

つまりポジショニングとは、自分だけでは身体を思うように動かすことができなかったり、動くときになんらかの補助が必要な方に行うものです。

 

ポジショニングの目的は?

ポジショニングの目的は、その対象者に起きている問題・今後起こりうる問題を解消するために行います。

 

その問題には具体的に、

  • 筋緊張の緩和
  • 関節拘縮の予防
  • 褥瘡発生の予防
  • 呼吸機能の維持や促進
  • 循環機能の維持や促進
  • 摂食機能の維持や促進
  • 嚥下機能の維持や促進

などがあげられます。

ポジショニングを行うことで対象者が活動しやすく、また安楽に過ごすことができるようにしていきます。

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ポジショニングは誰が行うか?

ポジショニングは他職種で協力してみんなで行っていく必要があります。

他職種には、介護士、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などがあてはまります。

 

その他職種の中でも、ポジショニングを必要とされる対象者に接する時間が最も長くなるのは介護士です。

ということは必然的に、ポジショニングを行う回数が最も多くなるのは介護士になります。

基本的には、理学療法士などのリハビリチームが姿勢を観察・分析してポジショニングの方法を介護士などに助言・伝達して行っていくことが多いです。

 

ポジショニングはいつ行うか?

ポジショニングを行うタイミングは、その対象者それぞれによって異なります。

  • 寝返りをうてない
  • 身体が傾いている
  • 呼吸をしにくそう
  • 食べ物を飲み込みにくいそう
  • 下肢が浮腫んでいる
  • 筋肉が異常に固い

など挙げていくとたくさんありますが、その時その状況によってポジショニングを行っていきます。

 

ベッドに寝転んでもらった時、車椅子に座ってもらった時、体位交換を行った時などの姿勢変換時にはとくにポジショニングが必要となるケースが多いです。

ポジショニングは一度行えば良いというものではありません。
ポジショニングを必要とされる方のほとんどが、長期的にまた継続的にポジショニングが必要となります。

 

ポジショニングに使う物品は?

ポジショニングに使う物品は、タオルや市販のクッションを使用したり、布団を丸めて使用することもあります。

最も効果的なのが、福祉用具専門メーカーのポジショニング用クッションです。

 

タオルや市販のクッションではそもそもポジショニング用に作られていないため、使用しにくかったり効果を発揮しにくいといったことがあります。

ポジショニング用クッションであればポジショニング用に作られているので使用感は良く、効果も発揮しやすくなります。

 

ポジショニングの効果は?

ポジショニングの効果は即効性のあるものと、遅効性のものがあります。

 

例えば、

嚥下機能が低下している対象者の場合

ポジショニングを行って姿勢が改善(即効性)
姿勢が改善したことで嚥下機能が促進(即効性)
嚥下機能が促進された姿勢で食事を継続していたことによって食事摂取量が増加し、栄養状態の改善(遅効性)

褥瘡を患っている対象者の場合

ポジショニングを行って患部に圧がかからない良肢位を保持(即効性)
圧をかけない肢位を継続していたことによって褥瘡の緩和(遅効性)

 

つまり、嚥下機能が低下している方にポジショニングを行ったからといって、すぐに栄養状態が良くなるわけではありません。

褥瘡を患っている方にポジショニングを行ったからといって、すぐに褥瘡が緩和してくるわけではありません。

ポジショニングの効果を最大限に出すには継続することが重要といえます。

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ポジショニングを行わなかったらどうなるか?

ポジショニングを行わなければ、身体機能低下の進行が早まるどころか対象者は苦痛な生活を過ごしていくことになります。

また身体機能低下が進行した対象者は介助量が増加するため、介助者にとっても良くありません。

ABOUT ME
たろ
たろ
【資格】理学療法士(10年)、ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、特養、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義

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