理学療法士になるためには、臨床実習に必ず行かなければなりません。
この理学療法士の臨床実習がとにかく大変でつらいのです。
今回は、私が学生だった頃の約10年前の体験をもとに、「理学療法士の臨床実習でつらいこと」をご紹介していきます。
Contents
理学療法士の臨床実習について
理学療法士の臨床実習には、必ず臨床実習指導者のPTの先生がつきます。
この臨床実習指導者のPTの先生をスーパーバイザー(SV)とも言います。
実習生の教育担当というわけです。
スーパーバイザーは臨床経験が3年以上のPTの先生です。(今後は5年以上になるようです。)
基本的にはこのスーパーバイザーが受け持っている患者さんや利用者さんの見学や評価、治療を行う場合が多いです。
ただ、スーパーバイザー以外のPTの先生の受け持っている患者さんや利用者さんが担当になる場合もあります。
基本はスーパーバイザーに毎日ついてまわるのですが、スーパーバイザーが休みの日や担当の患者さんのリハビリ時間などの兼ね合いから、他のPTの先生についてまわることも多いです。

理学療法士の臨床実習でつらいこと4つ
理学療法士の臨床実習がつらくなるか楽になるかは正直なところ、スーパーバイザーによるところもあります。
スーパーバイザーがただ厳しいだけはつらい
理学療法士の臨床実習と言えば「つらい」ですが、その原因のほとんどがスーパーバイザー次第でもあります。
スーパーバイザーが優しくて教え方が上手い先生であれば、実習中の毎日がとても充実し楽しくなります。
反対にスーパーバイザーが厳しいだけでしっかりと教えてくれない先生であれば、実習中の毎日は非常に過酷でつらいものとなってしまいます。
私の経験上、スーパーバイザーはほとんどが厳しい先生でした。それは実習生として教えて頂くためには当然だと思います。厳しくてもしっかりと指導してもらえれば、必ずあとあとの役に立ちます。
ただ厄介なのが厳しいだけで、しっかりと教えてくれなかったり、理不尽に怒られたり、課題がとにかく多かったり、といったスーパーバイザーはつらかったです。
毎日の課題がつらい
実習中は毎日帰ってからデイリーノートや評価レポートなどを作成し、翌日朝に提出するのが基本となっています。
デイリーノートには、見学させて頂いた患者さんの事や調べてきた事などを書き、レポートには担当の患者さんの情報・検査・測定・評価・治療など全てを考察して書いていきます。
レポートは多い場合には数十ページにまでなることもあります。さらにただ書くだけでなく、毎日訂正をもらうので書き直しがほぼエンドレスに続きます。
担当の患者さんのレポートに集中したいところですが、デイリーノートも同時に作成しなければなりません。
厳しいスーパーバイザーであれば、その日見学した全ての患者さんの動作観察・分析・評価項目・治療プログラム立案までを書かなければならない場合もあるようです。(簡単なようですが実習生の時にはかなり時間がかかります。)
そしてレポートがある程度完成すれば、今度はレジュメを作成しなければならないのです。
レジュメはレポートを要約したものです。
睡眠時間が少なくてつらい
理学療法士の臨床実習中には、睡眠時間が減ることが多いです。
毎日の課題が多ければ多いほど、寝る時間が無くなる生活が続きます。
私の場合は、実習中の睡眠時間は平均して3~4時間はなんとか確保出来ていましたが、「毎日徹夜だった」という学生もたくさんいました。
睡眠時間が少ないと実習中見学をしているときに、とにかく眠たくなるのも非常につらいです。(立ったまま寝そうになることも)
症例発表がつらい
実習の終盤になってくると、担当になった患者さんの症例発表をPTの先輩方の前でしなければありません。(実習が終わってからは学校で症例発表があります。)
大きな病院などでは、数十人もPTの先生がいるのでかなり緊張します。
さらに質疑応答ではたくさんのご指摘をもらいます。睡眠時間もなく疲労困憊の中、キツイことを言われるとメンタルがやられてしまいそうになることだってあります。

おわりに
理学療法士の臨床実習は「つらいこと」で有名です。
しかし、このつらさは実習先やスーパーバイザーによります。
私も実習ではつらかった思い出のほうが多く、もう二度と実習には行きたくないのが本音です。
しかし、今考えると実習で得たものは非常に多く、良い経験が出来たので結果的には実習に行って良かったと思います。
「スーパーバイザーは優しい人がいいな」と誰しもが考えてしまいます。
しかし実習中にたくさん指導してくれる厳しいスーパーバイザーに当たって苦労するほうが、実際に免許を取得して臨床に出たときに役立ちその苦労が報われるような気がします。