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理学療法士を辞めたくなるときや向いていない人は?

リハビリは貴重な仕事です。

怪我や病気になってしまった人、高齢者の人などに運動をする機会をつくり専門的な知識で運動メニューを考え、継続してリハビリを行うことは大切です。

リハビリの中でも基本動作の訓練を中心とする理学療法士は、どの病院や施設でも見かけることが多くなっています。

理学療法士になると良い面はたくさんありますが、反対に悪い面もいくつかあります。どのような職種でも、実際に働いてみないとわからないことや我慢をしなければならないことはあります。

ただ理学療法士として勤務をしてから、自分に向いているのか、不向きなのかを判断するにはリスクが高過ぎます。なぜなら免許を取得するまでにかなりの時間やお金を費やすからです。

今回は、「理学療法士を辞めたくなるとき」や「理学療法士に向いていない人」をまとめましたので、ご紹介していきます。

理学療法士を辞めたくなるとき

今回は私がリハビリの仕事をしていて、「自分にはこの仕事向いていないんじゃないか」と辞めたくなるときをご紹介します。

先輩が厳しい

学校を卒業してすぐの新人理学療法士として働いているとき、病院などでは先輩がマンツーマンで教えてくれることがあります。

基本的には先輩から教えてもらえるのは勉強になるので非常に有難いことなのですが、なかには理不尽に厳しい先輩もいます。

そのような人に毎日怒られていると、「理学療法士になんかなるんじゃなかった」と思うときがあります。

また先輩とのプライベートの付き合いも大変です。せっかくの休日に、行きたくもないパチンコに毎回付き合わされたこともありました。

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担当の患者に他の先生に変えてほしいと言われる

私はリハビリの仕事をして10年以上経ちますが、今までに一度だけ担当の患者に「他の先生に変えてほしい」と言われたことがあります。

言われたのは直接ではなく、その患者の家族から他の理学療法士を介してです。その患者は高齢ですぐに「しんどい」と言う人で運動意欲が低い人でした。自分的には運動を嫌がる人には、無理に運動をたくさんせずにまずは簡単な運動から継続出来れば良いと思っていました。運動を1回だけしっかりおこなっても、次回から「しんどいから」「痛いから」と拒否をされてしまえば、リハビリがおこなえません。運動は継続することが大切なのに。

しかし、患者の家族からしたら物足りないと感じてしまっていたようです。

「担当を変えてほしい」と言われるのは、非常にショックが大きいです。

リハビリを拒否する患者が多い

リハビリは患者に拒否をされれば、実施することが出来ません。認知症の方であれば、拒否をされても時間や日を変更して気持ちが落ち着かれているときにリハビリを実施することも出来ますが、しっかりされてるいる方に拒否をされてしまえば、なかなかリハビリを実施することが出来ません。

リハビリを拒否する方が多いと、何も出来ないですし、「自分には理学療法士が向いていないんじゃないか」と思うこともあります。

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腰痛がひどい

リハビリの仕事をしていると、中腰や無理な体勢になることも多く、腰に負担がかかりやすいです。

普段から腰に負担をかけないように気をつけて仕事をしていても、知らず知らずのうちに疲労が蓄積している場合があります。

腰痛がひどいとリハビリ中も痛くて集中出来ません。患者さんのほうが健康で元気なときもあります。

リハビリの仕事がしんどいと感じるとき

理学療法士は、基本的に日々リハビリの仕事をしているので身体を動かしていることが多いです。

そのため、一日中デスクの前で仕事をする人たちとはまた異なる疲労におそわれることがあります。

リハビリの仕事は、介助方法などをしっかり習得していれば決してキツイ重労働ではありません。

しかし、自分自身の体調が悪いときには、身体を動かす仕事をしていると軽作業でも想像以上に身体がしんどくて疲れます。

体調がすぐれないときには、無理をせずに休むことが自分のためでもありますし、患者さんのためにもなります。

ここでは、リハビリの仕事がとくにしんどいと感じる時をまとめました。

  • 腰痛があるとき
  • 風邪をひいたとき
  • 患者さんのお話が止まらないとき

腰痛があるとき

辞めたくなるとき同様になりますが、やはり腰痛があるとリハビリの仕事は大変です。

理学療法士は、腰を痛めない介助法などは知っています。しかしそれでもリハビリの仕事を日々していると、腰痛が出てくることがあります。

腰痛があると、痛みによって身体の動かし方にも制限が出てしまいますし、同じ姿勢でいることがつらくなってきます。

私も腰痛を持っていますが、まだ一晩寝れば痛みがなくなるのでなんとかなっています。しかし友人のなかには腰痛がひどく、腰痛バンドやコルセットを装着しながらリハビリをおこなっている人もいます。

風邪をひいたとき

風邪をひいたときには、誰もが安静にしていたいものです。しかしリハビリの仕事をしていると、身体を動かすことが多いので、基本的には安静に座っていることが出来ません。

感染防止のためにも、風邪をひいてしんどいときには無理をせず休むことが大切です。

患者さんのお話が止まらないとき

リハビリをする上でコミュニケーションは大切です。ついついお話をし過ぎて、時間に追われてしまうことがあります。

患者さんのなかにはお話がとても好きで、リハビリ中ずっとお話をしてくださる方がいます。

たまにならまだ良いのですが、毎回毎回永遠にお話が続いていたり、自分の体調が悪いときなどにはさすがにしんどくなることがあります。

理学療法士に向いていない人

続きまして、私が感じた理学療法士に向いていない人をご紹介します。

もちろん全ての理学療法士にあてはまるわけではありません。

勉強をしたくない人

理学療法士になるためには、養成学校での勉強や国家試験対策など、たくさん勉強をしなければなりません。

また免許を取得してからも知識や技術を忘れないように、また新しい知識や技術を取り入れるために、独学や勉強会に出席するなどして勉強をし続ける必要があります。

そのため、勉強をしたくないという人には理学療法士は向いていません。

お金に余裕がない人

理学療法士になるためには、必ず養成学校に通わなければなりません。そのため学費がかかります。

400万円から500万円はかかるところが多いです。国公立であれば、もう少し安いかもしれません。

奨学金を借りることも出来ますが、借りすぎるとあとあとの生活に響いてしまいます。

そのためお金に余裕がない人や、そもそも免許をとるために数百万円も払いたくないという人には理学療法士は向いていません。

時間をかけたくない人

理学療法士は、独学で受験することが出来ないため養成学校に通わなければなりません。

その養成学校には3年もしくは4年間通う必要があります。この3年もしくは4年間を費やしてまで理学療法士になりたいという覚悟があるかどうかが大切です。

理学療法士になりたいと思っていても、資金面や時間を考えてあきらめる人もいます。

仕事の都合や自分の年齢を踏まえて、そんなに時間をかけれないという人には理学療法士は向いていません。

開業したい人

理学療法士は他の医療技術職(柔道整復師や鍼灸師など)と違い、開業権がありません。

つまり、医師の指示なしでは理学療法士として診療補助業務が出来ません。

そのため、柔道整復師や鍼灸師などのように開業して、理学療法士として施術することが出来ません。

ただ理学療法士のなかには、開業ではなく自分で会社を持ち独立したい人は、デイサービスや訪問リハビリを立ち上げて管理者として働く人もいます。

昇格したい人

一般企業などでは、役職が多くあります。主任、係長、課長、部長、取締役など。

理学療法士が勤務する場所の多くは、そのような役職がほとんどありません。

病院のリハビリテーション科など、リハビリの職員が多い場所では主任やリーダーなどがいるところも多いですが。

役職につきにくいため、昇格をして給をどんどん上げていきたいという人には理学療法士は向いていません。当然、役職手当てをもらえることが少ないです。

カレンダー通りの休日が欲しい人

理学療法士は病院や施設で勤務することが多いのですが、そのほとんどが土日祝日関係なしのシフト制になります。

勤務場所によって土日が休み、もしくは祝日が休みのところもありますが、完全にカレンダー通りの休日をもらえるところはほとんどありません。

正月やお盆、ゴールデンウィークなどの長期休暇もなかなかとりにくいのが現状です。

平日が休日なのは飲食店や旅行が安くなったり、ATMで手数料がかからなかったりとメリットも多いですが、家族や友人と予定を合わせにくくなってしまいます。

カレンダー通りの休日がもらえるのはどの職種の中でもかなり限られると思いますが、理学療法士もカレンダー通りの休日をもらうのは難しいと考えておいたほうが良いです。

年収600万円以上欲しい人

理学療法士の給与は、年収で400万円もらえたら良いところです。当然、勤務場所や経験年数などによって異なります。

残業や休日出勤などがほとんど無いため、手当てがつかないので一般企業のサラリーマンに比べて稼ぎにくいです。夜勤もないため、看護師に比べても給与が低い場合が多いです。

定時で帰れるのが理学療法士のメリットでもありますが。

訪問リハビリで歩合制のところであれば、訪問軒数が多くなれば比較的稼ぎやすいです。

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もちろん年収600万円以上稼いでいる理学療法士もいますが、その給与まで辿り着くにはなかなか大変です。

おわりに

リハビリの仕事は、介助方法などをしっかり習得していれば決してキツイ重労働ではありません。

しかし、自分自身の体調が悪いときには、身体を動かす仕事をしていると軽作業でも想像以上に身体がしんどくて疲れます。

体調がすぐれないときには、無理をせずに休むことが自分のためでもありますし、患者さんのためにもなります。

リハビリの仕事をしていると、必ず一度は辞めたいと思うときがあります。

ただ、そこでもし辞めたところで、次の新しい仕事をしてもいつか必ず同じ壁にぶち当たることがあります。

どんな仕事をしていても楽な仕事はそうそうありません。ほとんどの人が、一度は「辞めたい」と思うときがあります。

私もリハビリの仕事をしていて「辞めたい」と思うときが何度かありました。

それぞれの職種にしかわからない特有の悩みもあるのです。

 

ABOUT ME
たろ
【資格】理学療法士(15年)、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級、認知症ライフパートナー 【職歴】大手工場、急性期・回復期病院、デイサービス、老健(非常勤)、訪問リハビリ(非常勤) 【講師実績】イオンにて介護予防の相談会、介護予防対象者向け体操講義、介護福祉士向けの介護講義