医療福祉の仕事をしていると、どうしても腰をかがむことが多くなります。そのため、腰痛を訴える職員が多いです。
腰痛のなかでも、不意にくる急激な痛いを伴うぎっくり腰には特に注意が必要です。
今回はぎっくり腰の原因や対処、予防法などについてご紹介していきます。
ぎっくり腰とは
ぎっくり腰は、急に起こる腰痛です。痛みが強いことが多いので、ぎっくり腰になると日常生活に支障をきたす場合もあります。
いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。
出典元:ぎっくり腰|公益社団法人日本整形外科学会(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html)
ぎっくり腰は急性腰痛症とも呼ばれており、海外では魔女の一撃とも呼ばれています。
名前を聞くだけでもかなり痛そうです。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰の原因は様々で、なった時の状況やその人によって変わってきます。
痛みの原因はさまざまで、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられます。
出典元:ぎっくり腰|公益社団法人日本整形外科学会
ぎっくり腰の対処法
ぎっくり腰になってしまった場合の対処としては、焦って無理な動きを繰り返したり温めたりせずに、安静や冷やすことが大切です。
またぎっくり腰になった直後では、マッサージなどはかえって症状を悪化する場合があるので、街のもみほぐし屋さんなどにいきなり行かずに、まずは病院で医師に診断してもらってからその後のアドバイスをしてもらいましょう。
身体を安静にする
ぎっくり腰は基本的には、痛みのない安楽な肢位で安静にしておくのが良いとされています。
無理のない姿勢や動作で生活をしていれば、通常は3日ほどで痛みが軽減してくることが多いです。
ぎっくり腰になったときの安楽な肢位としては、
- 膝を軽く曲げて寝る
- 横向きで腰をまるめて寝る
- アームレストや背もたれつきの椅子に深く腰をかけて座る
上記の肢位をとることで、腰への負担を軽減してくれます。
患部を冷やす
基本的に急性的な痛みには、冷やすことが良いとされています。ぎっくり腰の場合も急激な痛みのため、温めるのではなく冷やすことが重要です。
何ヵ月も続く慢性的な痛みの場合には、温めるほうが良いこともあります。
ただ、痛いからといって数時間も冷やしっぱなしにすると、かえって悪化して痛みが強くなる可能性もあるので冷やすのは長くても20分程度を目安にして、痛みの様子を見ながらおこないます。
ぎっくり腰の予防法
ぎっくり腰は、日頃おこなっている姿勢や動作を少し変えるだけでも予防出来ます。
同じ姿勢を長時間とらない
デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっていると、ふと身体を動かしたときにぎっくり腰になる場合もあります。
ですからデスクワーク中でも、たまに背もたれにもたれかかったり、小まめに立ってストレッチをすることなども非常に重要です。
重い荷物を持つときは膝を使う
下に置いてある重い荷物を持ち上げるとき、腰だけを曲げて持ち上げるのではなく、膝を曲げて自身の重心を下げてから持ち上げます。
そうすることで、腰への負担を軽減することが出来ます。
運動習慣をつける
ぎっくり腰を予防するには、日頃から適度に運動をしていることが重要です。
ただ、いきなり腰に負荷の高い運動をおこなうのではなく、ウォーキングや水泳などの有酸素運動で身体全体の機能を向上させることが、結果的にぎっくり腰の予防にも繋がります。
おわりに
ぎっくり腰は基本的には安楽な肢位で安静にしておけば、1週間もあれば自然と痛みは軽減してきます。
しかしあまりにも痛みがひどい場合や、1週間経っても痛みが軽減しない場合には病院で受診することをおすすめします。