理学療法士の免許を取得してから、自分のスキルアップのために何か他の資格を取得したいと考える人は多いと思います。
実際私もそうでした。
資格を取得すれば、自分の知識の向上だけでなく、転職時に有利になる可能性があります。
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理学療法士が取得していれば役立つ資格
資格には独学で取得出来るものもあれば、養成学校に通わなければいけないものがあります。
今回は、「理学療法士が出来れば取得しておきたい」「取得していれば役に立つ」という資格を一部ご紹介していきます。
作業療法士
作業療法士は理学療法士に似た資格となりますが、若干異なります。
詳しくは下記をご参考下さい。
作業療法士になるには、通常養成学校に3年以上通わなければいけませんが、理学療法士の資格を持っていれば養成学校に2年以上通えば受験資格を得られます。
作業療法士の資格も取得することで、リハビリの知識や技術面の向上だけでなく、業務範囲の拡大にも繋がります。
言語聴覚士
言語聴覚士は、理学療法士と作業療法士に並ぶリハビリの専門職です。
言語聴覚士は、そのなかでも特に言語や嚥下などを得意としたリハビリの知識や技術を持っています。
理学療法士は、学校で言語や嚥下などの分野をそれほど深く勉強しないので、言語聴覚士の資格を取ることでその分野を克服出来ます。
言語聴覚士になるには、養成学校に3年~4年通う、もしくは4年制大学を卒業したあとに指定の大学・大学院・専門学校に通う必要があります。
視能訓練士
視能訓練士は、視機能のプロフェッショナルです。よく眼科の病院などで勤務されています。
病院や施設では視力が悪い人や全盲の人などが来られる場合もあるので、視機能の訓練や知識を習得出来れば理学療法士としても強みになります。
視能訓練士になるには、養成施設で勉強し受験資格を得て試験に合格する必要があります。
・視能訓練士養成所を卒業
高校卒業後、指定された視能訓練士養成施設で3年以上必要な知識や技術を修得する。
・短大卒以上で、視能訓練士養成所(1年以上)に修業
大学や短大、または看護師や保育士の養成機関で指定科目を履修したのち、指定の視能訓練士養成施設で1年以上必要な知識や技術を修得する。
出典元:視能訓練士になるには|公益社団法人日本視能訓練士協会(http://www.jaco.or.jp/ippan/shinou/)
介護支援専門員
デイサービスや訪問リハビリなどで介護保険を利用してリハビリをおこなっている利用者には、担当の介護支援専門員がいます。
介護支援専門員はケアマネジャーとも言われ、ケアプラン作成や患者・家族・他職種・施設などと連絡や調整を行う大切な役割の業務です。
ケアプランには利用者の生活の目標に向けて利用するサービスなどが記載されますが、介護保険のリハビリもケアプランに載ります。理学療法士が介護支援専門員を取得することで、介護保険のしくみや利用者の背景などをより考えるきっかけにもなります。
介護支援専門員になるには、実務経験が必要になります。
- 国家資格に基づく業務
- 生活相談員
- 支援相談員
- 相談支援専門員
- 主任相談支援員
上記の業務で通算年数が5年以上かつ900日以上必要となります。
福祉住環境コーディネーター
理学療法士で福祉住環境コーディネーターの資格を持っている方は、非常に多いです。
福祉住環境コーディネーターは独学でも試験に合格すれば、取得出来ます。
理学療法士の知識があれば、2級までなら比較的簡単に合格出来ます。1級はかなり難しくなります。
住環境や福祉用具などの知識が身に付くので、訪問リハビリや在宅復帰がゴールの病院などで勤務している理学療法士は特に持っておきたい資格です。
柔道整復師
理学療法士は開業権がありません。そのため、自分で開業して理学療法業務を行うことが出来ません。
一方、柔道整復師は開業権があるので自分で整骨院などを開くことが出来ます。
理学療法士が柔道整復師の資格を取得することで、柔道整復師として開業出来ます。また、整復や固定方法などの知識や技術も高まります。
柔道整復師になるには、下記引用をご参考下さい。
都道府県知事が指定した専門の養成施設(三年間以上修学)か文部科学省が指定した四年制大学で解剖学、生理学、運動学、病理学、衛生学、公衆衛生学などの基礎系科目と柔道整復理論、柔道整復実技、関係法規、外科学、リハビリテーション学などの臨床系専門科目を履修します。
国家試験を受け、合格すると厚生労働大臣免許の柔道整復師となります。出典元:柔道整復師とは|公益社団法人日本柔道整復師会(https://www.shadan-nissei.or.jp/judo/)
柔道整復師以外で開業権がある資格は他に、あんまマッサージ指圧師、鍼灸師などがあります。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、認知症の方に対する高い知識や技術を持つ専門職です。
病院や施設などでは認知症の方も多いので、理学療法士が認知症ケア専門士を取得することで、認知症のケアやリハビリに活かすことが出来ます。
認知症ケア専門士になるには、実務経験が必要です。
認知症ケアに関する施設,団体,機関等において試験実施年の3月31日より過去10年間において3年以上の実務経験
出典元:認知症ケア専門士|日本認知症ケア学会認定認知症ケア専門士公式サイト(http://184.73.219.23/d_care/senmonsi/Ssenmonsi.htm)
実務経験が無い場合には、認知症ケア准専門士の試験を受けることが出来ます。
日本糖尿病療養指導士
日本糖尿病療養指導士は、糖尿病の方に対するケアや高度な知識を持った専門職です。
日本糖尿病療養指導士の受験資格を得るには、いくつかの条件をクリアしなければいけないのでそう簡単にはなれません。
糖尿病の患者や利用者も多いので、理学療法士が日本糖尿病療養指導士の資格を取得することで、糖尿病の方に対する知識を深めてより質の高いリハビリを行えます。
日本糖尿病療養指導士の受験資格を得るには、下記の1~4を全て満たしている必要があります。
1.看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有していること(医療職免許証の写しの提出が必要です。)
2.下記の(1)(2)(3)の条件を全て満たしている医療施設において、過去10年以内に2年以上継続して勤務し糖尿病患者の療養指導業務に従事した方で、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導を行ったこと
3.受験者が2.の「糖尿病療養指導業務に従事した期間」に当該施設で携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること
4.本機構が開催する講習(eラーニング)の受講を修了していること
出典元:日本糖尿病療養指導士認定試験受験資格|一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構(https://www.cdej.gr.jp/modules/before/index.php?content_id=1)
まとめ
今回は理学療法士が取得していれば役立つ資格の一部をご紹介しましたが、その他にもたくさんあります。
しかし現実問題もう一度養成学校に通って、高いお金と多くの時間を費やすのはなかなか難しいです。
そして雇用されている限りは他の資格を取得したからといって手当てがつくことはほとんどなく、あくまでも自分のスキルアップのためと考えておいたほうがいいかもしれません。