施設などで高齢者の方に体力測定を行っていると、当然立ち上がれない人や歩けない人がいます。
立ち上がれない人には、有名なTUGテストやFRTなどの計測しやすいテストも実施することが出来ません。
今回は、立ち上がり動作が行えない人でも実施出来る、座ったまま計測する体力測定をご紹介していきます。
座ったままできる体力測定
高齢者の方たちなどで、座ったままできる体力測定をご紹介していきます。
座位両足開閉ステッピング
座位両足開閉ステッピングは、椅子の前に30センチ幅になるようにラインを2本引き、両足でラインの内側・外側に交互に素早く動かすテストです。20秒間で、ラインの内側に両足のつま先が接地した回数を測定します。
ラインを踏んでいたり、つま先が接地していない場合は回数に含めないようにします。
カットオフ値を参考にすることで、転倒リスクの評価が出来ます。
座位両足開閉ステッピングを実施するための必要物品は、下記になります。
- 椅子
- ストップウォッチ
- ラインを引くためのテープ
座位ファンクショナルリーチテスト
座位ファンクショナルリーチテストは、座ったまま実施するファンクショナルリーチテストです。
Modified Functional Reach Testから『MFRT』とも呼ばれています。
座位ファンクショナルリーチテストは、座ったまま前方へのリーチ動作を行い、動的座位バランスの評価を行います。
座位ファンクショナルリーチテストを実施するための必要物品は、下記になります。
- 椅子
- 目印となるテープ
- 物差しまたはメジャー
椅座位体前屈
椅座位体前屈は、椅子に座ったまま体を前屈して柔軟性を測定するテストです。
椅子に浅く座り片方の下肢を伸ばし踵を接地した状態で、体を曲げて上肢をつま先に向けて伸ばしていきます。
手の中指とつま先の距離を測定します。つま先を0センチとして、手の中指がつま先に届かなかったらマイナス、つま先より先に届けばプラスでそれぞれ距離を測定します。
椅座位体前屈を実施するための必要物品は、下記になります。
- 椅子
- 椅座位体前屈計
おわりに
高齢者の方達に体力測定を行う場合、
- 簡易的である
- 数値化できる
- 比較するカットオフ値がある など
は重要となりますが、最も大事なことは安全に体力測定が行えるかどうかです。
計測することに夢中になり、体力測定で怪我をしてしまっては大変です。まずは安全を第一に考え、体力測定を実施しましょう。