体位変換を行うことは、自分で身体を動かせない人にとってはとても重要な介護です。
体位変換を行う際にひとつ気になるのが、「どの部分から体位変換を行うべきなのか」というところです。
頭側、足側、それとも骨盤から?
私は可能な限り、頭側から体位変換を行うようにしています。
体位変換を頭側から行う理由は?
体位変換を足側からではなく、頭側から行うと何故良いのでしょう。
今回は、私が体位変換を頭側から行う4つの理由をご紹介します。

目から情報が入る
頭部には「聴覚」「嗅覚」「視覚」など様々な情報収集機関があります。
そのなかでも体位変換時においては、対象者の目からの情報は大切です。
体位変換を頭側から行い、対象者が目から情報を取り入れることで「次にどちらへ向くのか」という準備が出来ます。
当然体位変換を行う前に介護者からの、「左へ向けますね」などという声かけも大切です。
不安や恐怖心を解消する
体位変換を頭側から行い、対象者に「次にどちらへ向くのか」を知ってもらうことで、対象者の不安や恐怖心をある程度解消することが出来ます。
急に下肢から横に向けられては、対象者からすると「何をされるんだろう」という不安や恐怖心が出てしまいます。
筋緊張を緩和する
不安や恐怖心があると、筋緊張は高くなってしまいます。
頭側から体位変換を行うことで、不安や恐怖心を少しでも解消出来れば、対象者の筋緊張を緩和することにも繋がります。
介護者の負担を軽減する
対象者に不安や恐怖心があり筋緊張が高くなっている場合、体位変換を行う介護者にも負担がかかってしまいます。
体位変換を頭側から行い、不安や恐怖心とともに筋緊張を緩和することが出来れば、介護者の負担軽減にも繋がります。
まとめ
体位変換を頭側から行うことで、対象者に目からの情報が入りやすくなります。
対象者に目からの情報が入ることで、
- 対象者の不安や恐怖心が解消する
- 対象者の筋緊張が緩和する
- 介護者の負担が軽減する
といったことにも繋がります。
これらは目からの情報だけでなく、耳からの情報でも影響します。
そのため、体位変換を行う際には対象者への声かけも非常に大切になります。
