ブーメラン型のクッションは、身体のポジショニングやシーティングを行う際にも使えます。
ブーメラン型のクッションは、寝具用品店や福祉用具専門店などで売っており様々なタイプのものがあります。
今回は「おむみんのブーメランクッション」の使い方について、ご紹介します。
おむみんのブーメランクッションとは?
おむみんのブーメランクッションとは、株式会社オムニ商会が開発したポジショニング用のクッションです。
正式にはCP4-B(ブーメラン)という名称になります。
ブーメランクッションはその名前のとおり、ブーメランのような「く」の字の型をしているクッションです。
中身の素材にはウレタンキューブとビーズが入っており、通気性が良く身体にもフィットしやすいためポジショニングに使いやすいクッションとなっています。
おむみんのブーメランクッションの使い方とは?
おむみんのブーメランクッションの使い方はいくつかあります。
今回は私がよく使う方法をご紹介します。
背臥位(仰向け)のとき
背臥位のときにおむみんのブーメランクッションをよく使う方法は2つです。
頭部や上肢の良肢位を保持する
おむみんのブーメランクッションは、背臥位では頭部や上肢の良肢位を保持するために使うことが出来ます。
- 頚部の筋緊張が高く、後屈してる人
- 背部の筋緊張が高く、肩甲骨が内転してる人
- 上肢の筋緊張が高く、上肢が屈曲してる人
- 円背の人
などにおむみんのブーメランクッションを使うことが多いです。
「く」の字の2つの先端側をそれぞれの肩甲骨まで差し込み、枕代わりにします。
ポイントとしては、
- 「く」の字の凹側の2つの先端をしっかりと差し込む(肩甲骨の下角くらいまで)
- 肩甲骨を出来るだけ外転させる
- 上腕をクッションに乗せる
- ブーメランクッションを入れても頚部が後屈している場合はブーメランクッションの下に枕を入れる
仙骨の除圧と大腿部を支える
背臥位では仙骨の除圧と大腿部の支えにもおむみんのブーメランクッションを使うことが出来ます。
- 仙骨に褥瘡がある人(圧がかかり過ぎている人)
- 股関節や膝関節の屈曲拘縮がある人
- 股関節の外転予防
などにおむみんのブーメランクッションを使うことが出来ます。
ポイントとして、
- 「く」の字の凹側を骨盤下部まで差し込む
そうすると仙骨の除圧が出来ますし、大腿部を支持出来ます。
この場合、下腿部の下に空間が出来てしまうのでそこには下腿部を支持する別のクッションなどがあると良いです。
また、このブーメランクッションの使い方であれば股関節は内転しやすいので外転予防にはなりますが、反対に内転拘縮に注意をしておきたいところです。
側臥位(横向き)のとき
側臥位のときにもおむみんのブーメランクッションを使うことがあります。
体幹や骨盤を支える
半側臥位のときに体や骨盤が支えられる(もたれられる)ようにブーメランクッションを使います。
「く」の字の凹側を身体のまるみに沿わせて差し込みます。
大転子部の除圧をする
側臥位で下側になっている大転子部に圧がかかり過ぎている場合には、身体に沿わせながら差し込み、下肢側にある「く」の字の先端を大転子部のすぐ下の大腿部に差し込むことで大転子部の除圧をすることが出来ます。
坐位(座っている)のとき
寝ている姿勢だけでなく、坐位のときにもおむみんのブーメランクッションを使う場面はあります。
両肘を支えて体幹前傾を抑制する
坐位で体幹が前に傾く人には、「く」の字の凹側を腹部に向けて囲うように置くと肘で支えやすくなり体幹の前傾を抑制することが出来ます。
上肢の剥離などの事故を予防する
上肢を車椅子の外に出してしまう人は、アームレストや他の何かにぶつけたりタイヤへの巻き込みなどで、剥離や内出血などの事故に繋がりやすいです。
上記の体幹前傾抑制のときと同様にブーメランクッションを置くことで、上肢が支持出来るのでそういった事故を完全にではありませんが未然に防ぐことが出来ます。
坐位保持を補助する
自力で坐位姿勢を保持出来ない人は、側方に体幹が傾いてしまうことがあります。
そのような人にもブーメランクッションを使うことが出来ます。
「く」の字の凸側を頭に凹側を骨盤に向けて背中に差し込みます。
そうすることで体幹の傾きをある程度抑制することが出来ます。
ポイントとしては、
- 凹側の2つの先端は骨盤の方まで深く差し込む
この状態でリクライニングもしくはティルト機能を使って重心を後方に移動することが出来れば、さらに坐位姿勢が保持しやすくなります。
この方法は、円背の人にも利用することが出来ます。