脳梗塞などによって手指の筋緊張が高い状態になると、指を伸ばすことが困難となってきます。
手を握りしめたまま長期間いると、手指の拘縮が起こってしまいます。
特に気をつけなければならないのが、手指が曲がったまま伸ばせなくなる屈曲拘縮です。
手指の屈曲拘縮になってしまうと、指や手のひらの中で汗や汚れが溜まり不衛生な状態になります。
そのような不衛生な状態では、白癬や褥瘡が発生しやすいだけでなく、匂いも発生してきます。
また拘縮が起こることで爪切りが難しくなり、伸びた爪が手のひらに刺さり、怪我をすることもあります。
拘縮を予防するには、関節を毎日動かすことが大切ですが、筋緊張が常に高い場合には手指用のクッションを使用するのもひとつの方法です。
今回は手指用のクッションのなかでも、『ミラクルグリップ』という屈曲拘縮用のクッションについてご紹介していきたいと思います。
ミラクルグリップとは
出典元:ミラクルグリップ|ホワイトサンズ
ミラクルグリップは、株式会社ホワイトサンズが開発した手指拘縮予防や改善を目的としたクッションです。
ミラクルグリップは脳梗塞等の原因で起こる手・腕・膝・脚の拘縮対策を目的に開発されました。
適度な反発力を有する立体網状クッションが伸筋をサポートします。出典元:ミラクルグリップ|ホワイトサンズ(http://whitesuns.com/service.html)
材質はクッション部分がポリエチレン、カバー部分がポリエステルでできています。
ミラクルグリップの適応対象者
ミラクルグリップの使用に適している方は以下になります。
- 手指の拘縮がある
- 手指屈筋の緊張が高い
- 自身で手を開くことが出来ない
- 掌から匂いがする
- 掌に爪痕がよくある
- 手指に褥瘡がよくできる
ミラクルグリップの特徴と口コミ
では、ミラクルグリップの特徴と実際に使用した私の口コミを書いていきます。
手指に装着しやすい
ここでは、ミラクルグリップのMG40について紹介します。
ミラクルグリップMG40の大きさは、直径40mm・長さ120mmになります。フィン(指と指の間に入れるクッション)がついてるタイプになります。
ミラクルグリップMG40の魅力は、指を通すフィンが結ばれてリング(輪っか)になっていないため、指の拘縮が強い場合でも装着しやすいところです。
正確には、人差し指と小指の部分はリングになっており、中指と薬指の部分はリングにはなっていません。
拘縮が強い場合、通常のハンドクッションでは中指と薬指をリングに通すのが大変なのでミラクルグリップMG40は使いやすいといえます。
実際、ミラクルグリップMG40と4つのリングがついたハンドクッションを手指の拘縮がある方に試しましたが、拘縮が強い方や筋緊張が強い方にはリングではなくフィンがあるミラクルグリップMG40のほうが実用的だと感じました。
クッションの通気性が良い
ミラクルグリップが他のハンドクッションなどと違う特徴は、立体網状構造であることも良さのひとつです。
クッションがメッシュ構造になっているため、通気性が良く、手の中のムレや匂いを軽減してくれます。
空隙率(体積に対する隙間の割合)は、85%以上と言われています。
クッションに抗菌消臭効果
ミラクルグリップは無光触媒加工がされており、抗菌や消臭効果があります。
そのため、菌が繁殖しにくく、嫌な匂いの発生も抑えてくれます。
この抗菌消臭効果は、水洗いをしても持続します。
クッションが高反発である
ミラクルグリップのクッションは高反発であるため、強い力で握っても形が崩れにくくクッションの中身が片寄ることもありません。
高反発であるため、握ったときに指が沈み込まずに跳ね返す力(伸展方向への力)が働きます。
そのためミラクルグリップを使用すれば、手指の筋緊張が非常に高い場合でもある程度の可動域を保持しておけるので、屈曲拘縮の進行を抑えることが出来ます。
クッションを洗濯機で洗える
ポジショニングや拘縮予防に使用するクッションなどは、汚れがつくことが多いです。
ミラクルグリップは洗濯機での水洗いが可能であるため、汚れがついたら手間をかけずに洗うことが出来ます。
またメッシュ構造で空隙率が高いため、乾くのが非常に速いところもミラクルグリップの良さのひとつでもあります。